本は“出会いの手段”。LANYが1年で書籍を3冊出版した理由
LANY代表の竹内です。
この1年でLANYは3冊の書籍を商業出版という形で世に送り出しました。
- 「強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール」
- 「強いBtoBマーケティング 起業から5年、アウトバウンド営業なしで年平均成長率185%を達成した手法 」
- 「強いLLMO AI検索で選ばれるためのマーケティングガイド 」
Webマーケティングを主戦場とし、普段からWebサイトやYouTube、X(旧Twitter)といったデジタルな場所で積極的に情報発信をしている僕たちだからこそ、「本」という物理的なメディアにこれほど注力した理由を、不思議に思われるかもしれません。
なぜ、立て続けに3冊も書籍を出す道を選んだのか。
この背景には、僕たちのビジョンである「強くて優しい社会」の実現に向けて、デジタルマーケティングの力をより多くの人に、より深い形で届けたいという、LANYの根幹に関わる「戦略」と「信念」があります。
今回は、この「本」という手段にかけた僕たちの想い、それを実現させた社内の制作体制、そして書籍を通じて見据える事業の未来をありのままお話したいと思います。
【竹内 渓太/株式会社LANY 代表】
・新卒で株式会社リクルートホールディングスに入社し、3年間SEOや広告運用、BtoBマーケなど幅広いデジタルマーケティング業務に従事
・X(@take_404)やYouTubeで「SEOおたく」として情報発信を行う
・著書に『強いSEO』『強いBtoBマーケティング』『強いLLMO』(エムディエヌコーポレーション)
▶︎竹内の社員インタビュー
LANYが「本」という手段を選んだ3つの理由

LANYの事業は、お客様の事業成長にコミットし、本質的な課題解決を行うデジタルマーケティングの実行支援。
だからこそ、ノウハウ発信のブログやYouTube、そしてウェビナーといった日々のマーケティング施策には最大限のリソースを投入してきました。
これだけデジタル施策を推進している僕たちが、あえて書籍という手段を選んだのには、3つの大きな理由があります。
(1)予算をかけられない企業にも、LANYのノウハウを届けたい
書籍出版に踏み切った一番の理由は、LANYのミッションである「価値あるモノをインデックスさせる」を、いま僕たちが直接は支援できていない方々にも、きちんと届けたいと思ったからです。
僕たちは支援会社として、コンサルティングや実行支援にまとまった予算を投じてくださるお客様の事業に深くコミットしてきました。一方で、そこまでの予算は出せないけれど、誰かの人生を豊かにしようと実直に取り組んでいるプロダクトやサービス──LANYが「価値あるモノ」と呼んでいる存在が、たくさん世の中にあることも知っています。
そうした企業にとって、僕たちに依頼することは現実的ではなくても、本であれば手に取ってもらえる。だからこそ、コンサルティングという形だけではなく、書籍という形でもLANYのノウハウに触れてもらえる状態をつくっておきたいと考えました。
書籍を通じてデジタルマーケティングを独学していただき、その会社が持つ「価値あるモノ」がきちんと世の中に届いていく。そんな経路を用意することが、ミッションを前に進めるうえで欠かせないと感じたのです。
僕たちがWeb上に価値あるコンテンツを「インデックスさせる」のは、それを必要とする人に、必要なタイミングで届く状態をつくるためです。
書籍という形でLANYの知見を本棚に置いておくことは、LANYが直接支援できない企業にもLANYのノウハウが届くルートをひとつ増やすこと。そして、その先で生まれる事業成長を通じて、価値あるモノが社会に正しくインデックスされていくことを願っています。
(2)顧客の「信頼の初速」を獲得する
書籍出版のもう一つの大きな目的は、「会社としての信頼性を一気に高める」ことでした。
特にエンタープライズ企業の決裁者の方々は、僕たちのような創業間もない企業に高額なプロジェクトを発注する際、やはり慎重になるものです。
ブログやYouTubeといったデジタルコンテンツは現場の担当者には届くものの、「この会社になら任せられる」という決裁者の評価には、なかなか直結しません。
ここで、「商業出版という形式で本を出すことができた」という事実が、大きな意味を持ちます。これまで積み上げてきたコンテンツが出版社に評価されたファクトであり、「出版社が内容を認め、流通させている」という第三者による確かな信頼の証明になるからです。
書籍を出すことで、今まで会社の信頼性を判断する材料が少なく、発注に踏み切れなかった層が、LANYを「信頼できるパートナー企業」と認識してくださる。これは、Web上の施策だけでは得られなかった信頼の初速を一気に上げる効果を実感しています。
同時に、「困った時に思い出してもらえる状態(将来のお客様の脳内検索で1位を取る)」を作りたかった。書籍はLANYという会社の考え方を社会の辞書に載せるようなもの。「LANY=信頼できる支援会社」という認識を長く、広く残すための手段として、書籍の永続性は不可欠な要素でした。
(3)好奇心ドリブンで「届け方」を増やしていく
そして最後は、「書籍がマーケティングツールとしてどのような効果を持つか、純粋に試してみたかった」というシンプルな知的好奇心です。
書籍を通じて「ネットの検索」だけでは届かなかった層にアプローチし、信頼の初速を獲得できるのか。
この一連の挑戦は、好奇心ドリブンで届け方の選択肢を増やしていくこと自体が、ビジョン達成のために必要な動きだと確かめる機会にもなりました。
チーム力で実現した「書く」ことに全集中できる制作体制
外部の方から「日頃数多くのデジタルマーケティング施策をやりながら、どこにそんなリソースがあったんですか?」と本当によく聞かれます。答えは、「オペレーションの徹底」と「役割分担」です。
仕組み化で生み出された「余力」
まず、ノウハウ発信の核となるブログ記事やYouTube、ウェビナーといった定常のマーケティング施策は、長年の試行錯誤の結果確立したオペレーションをもとに、担当メンバーが徹底的にコミットしてくれているおかげで、安定運用ができています。
実際、3冊の書籍の制作期間中の13か月で、ブログ記事約100本、動画約130本、ウェビナー約300回、メルマガ約500本という驚くほどの量の情報を滞りなく発信しました。
この安定した土台があったからこそ、書籍出版という普段とは全く違う時間のかかるタスクにリソースを集中させる「余力」を生み出すことができたのです。
社内編集者との「役割分担」
そして、連続出版を可能にした最大の要因は、黒木さんという「社内編集者」の存在。
僕はもともと「書きたいことを書けば、書籍は作れるだろう」と出版作業を少し甘く見ていましたが、実際には書籍には専門的なルールに則った構成作業が必要だったのです。
そこで、黒木さんには僕が「書く」という本質的な作業に全集中できるように、出版社とのやり取りや、ドキュメントにまとめた原稿を書籍の構成に落とし込む作業、文字数の調整などを担ってもらいました。
特に1冊目の『強いSEO』では、約15万字の原稿を台割ゼロの状態からたった3週間で書籍の構成に落とし込み、僕が執筆に集中できるようサポートしてくれました。
この著者と編集者の役割分担によって、僕たちは内容の質を追求しながらスピードを両立し、連続出版を実現しました。

届いた成果と、お客様との新たな関係性
書籍を出版後、商談やイベントで「本を読みました」「いつも活用しています」といった感想の声をいただくようになり、僕たちのビジネスの現場でいくつかの変化が起きています。
議論の質を上げる「共通認識」
書籍出版によって、まず商談のスタートラインが変わりました。
書籍を読んでくださった方は、すでにある程度LANYのナレッジに信頼を持った状態で商談に臨んでくださいます。つまり、基礎的な説明を省略し、スムーズに本質的な議論に進めるようになったのです。
「信頼の初速」があるからこそ、すぐに「どう実行するか」という深いテーマに入っていける──。これは、コンサルティングや実行支援において、非常に強力なアドバンテージをもたらします。
本棚からの「出会い」と行動変容
僕たちが期待していた「本棚からの出会い」も生まれています。
ある時、商談に来てくださったお客様が「実は、御社の書籍を本屋で見つけて読みました」とおっしゃったんです。しかも、その本には付箋がびっしり貼られていた。
「ネット検索をしない層」や「LANYを知らない人」にも、本当に価値のある情報が届き、その結果、僕たちの支援を必要としてくれる企業とつながる。書籍出版が、ミッション実現に直結していることを実感させてくれる瞬間です。
他にも、書籍の内容を実践して成果を出したという喜びの声はもちろん、お客様とのオンラインミーティングの際、ミーティングツールの背景に書籍の表紙を設定してくださっていたこともありました。
このお客様の行動は、書籍が単なる知識の提供を超え、僕たちとお客様との間に確固たる信頼関係を築けている証だと感じています。書籍は、お客様の「まずやってみよう」を後押しして、実際の動き方を変えてくれる存在。そして同時に、LANYという会社への熱量を生み出す強力なツールにもなっています。
自ら引き上げた「期待値のベースアップ」
しかし、書籍出版は僕たちに新たな挑戦を課しました。それは、お客様の「期待値のベース」を自ら引き上げたということ。
書籍を読んでくださった方との商談は、僕たちのナレッジを「共通認識」として持った状態から始まります。そのため、「この内容は書籍に書かれているはずだ」という前提から議論が進むようになります。
お客様は「もっともっとすごいこと言ってくれるのではないか」「その先の何かをやってくれるんじゃないか」と、より高度な支援を期待してくださる。これは、僕たちLANYのコンサルタントにとっては、大きなプレッシャーになりました。
ただ、LANYは昔から「80点以上のフェーズに向き合い続けることで、社内の80点のラインは常に上がり続ける」という思想を持っています。
僕たちが書籍でナレッジを公開するということは、自社の持つ80点の基準を世の中に公開するということ。その結果、お客様の期待値が上がり、僕たちがさらにその先の答えを提供し続ける責任を持つ。
これこそが、LANY自身が常に進化し続けるための健全なプレッシャーだと捉えています。
【ご参考】note『なぜLANYは "コスパが悪い" のに「80点」ではなく「100点」の支援を目指すのか 』
ミッションの実現へ。この情報発信を止めることはない
僕たちが書籍という手段を使って実現させたいのは、単にLANYの事業拡大だけではありません。ミッションに立ち返って、これからも追い求めたいテーマがあります。
情報発信で広げる「価値が届く範囲」
なぜ本なのか、のところでも触れたとおり、世の中には「本当に良いプロダクトやサービスを作っているのに、コンサルティングや実行支援に大きな予算を割くことが難しい企業」がたくさんあります。
そうした方々にとって、書籍やブログ、YouTubeといった情報発信は、LANYに直接依頼しなくても、自分たちの力でプロダクトを伸ばしていくための「手がかり」になります。
僕たちのノウハウを通して、そうした企業の価値あるモノがきちんと世の中に届いていくなら、それはミッションの実現そのものです。
LANYでは、ご一緒しているクライアントの事業に全力で向き合うことで事業を成長させ、その利益の一部を還元してプロボノ活動も行っています。しかし、それだけでは価値を届ける範囲が広がらない。
だからこそ、書籍をはじめとした情報発信という「How」を通じて、価値あるモノが世の中にインデックスされるお手伝いを続けていく──。これこそが、LANYが情報発信を止めない理由です。
LANYの成長をつづる「人生の卒業論文」
そして、書籍は僕の人生の「卒業論文」でもあります。
1冊目の『強いSEO』は、新卒でSEOを始めた頃からの7年間の知識をすべて体系立ててまとめた「卒論」的な位置づけでした。持っている知識を公開し、メンバーに現場を託し、会社として次のフェーズへ進むための一つの区切りをつけたかった。
もしLANYという会社がもっともっと成長し、人様に語れることが増えたなら、いつか「起業から会社成長の軌跡」を僕の人生の卒業論文として書きたいと思っています。
この一冊一冊の書籍が、僕たちが次のフィールドへ進むための“決意表明”。
最後に、僕たちの書籍を手に取ってくださったすべての方に、心から感謝を伝えたいです。
LANYはこれからも尽きることのない探求心と確かな実行力、そしてチーム一丸となった挑戦と成長で「強くて優しい社会」の実現に向けて進み続けます。
僕たちが追求する、本質的な課題解決と情報発信の姿勢。このミッション・ビジョンに共感し、一緒に世の中の価値を広げていくことに興味を持っていただけたなら、ぜひお話ししましょう。現場のリアルな成長環境について、直接お話できることを楽しみにしています!
【カジュアル面談/ランチ】まずは気軽にLANYとお話してみませんか?
転職活動の有無に関係なく、LANYのメンバーとフラットにお話しませんか?
- 実際どんな人たちと働くの?
- どんな価値観を大事にしている会社なの?
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そんな素朴な疑問や不安を、ざっくばらんにお答えします!
話せるテーマの例
- LANYのカルチャーや働き方
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