【代表インタビュー】「価値あるモノが、必要な人に届く社会を作る」──LANY代表・竹内さんが語る「本質的な支援」

前回のインタビューは約2年半前。当時のLANYは、創業メンバーに加えて業務委託パートナーとともに歩みを進めていたフェーズでした。あれから仲間は30人を超え、オフィスの風景も、できることの幅も、大きく変わった。SEOを軸に、広告やSNS、BtoBマーケティング、採用支援といった多様な領域へと支援の幅を広げ、組織としての力も少しずつ、でも確実に育ってきた。
けれど、その中心にある想いは変わっていません。「価値あるモノを、ちゃんと届けること」LANYがずっと大切にしてきたその信念は、組織が大きくなった今も変わらず、むしろ深まっているように感じます。
このインタビューでは、代表・竹内さん(@take_404)が2年半の歩みを振り返りながら、これからのLANYについて語ります。“SEOの先”を見据える今、LANYは何を大切にし、どこへ向かおうとしているのか──その想いを、丁寧に紐解いていきます。
任せることで、LANYはもっと遠くへ行けるようになった
──前回のインタビューから約2年半が経過しました。これまでを振り返っていただき、どのような変化がありましたか?
まずは人が増えました。当時はちょうど初の正社員を採用するタイミングでしたが、今では30人を超える組織になりました。オフィスも移転して、社員8人のときに30人用のオフィスを気合いで借りたのですが、ありがたいことに1年後には空席がない状態です。Xにも投稿したんですけど、楽しく席替えしたりして。
また、できることも増えました。事業の領域も徐々に拡大していて、SEOコンサルティングや記事制作といった主力の業務に加えて、広告やSNS、BtoBマーケティング、採用支援といった領域にも進出しました。
──人が増えてご支援できる領域も広がってきた中で、「これは変わらなかったな/変えなかったな」と思う"LANYらしさ"をお聞かせください
ひとつめは、クライアントに高品質なサービスを提供する姿勢です。人が増えると、どうしても担当者ごとにクオリティに差が生じる可能性もあります。でもしっかりとクライアントに向き合い、良質なサービスを提供する仕組みは維持しています。
以前は「竹内が担当する」という期待を持って、クライアントがご依頼してくださっていたように思います。他のメンバーを起用することで、その期待値を下回ることがあってはならないので、常に自分の基準を上回るよう品質のコントロールを続けてきました。結果、以前よりもより良いご支援ができるようになったと考えています。
ふたつめに、会社のカルチャーも変えていない部分です。以前は自分が各メンバーと直接コミュニケーションが取れていたため、カルチャーの熱量や濃度は相当高かったと記憶しています。でも徐々にメンバーが増え、全員と活発にコミュニケーションを取ることが物理的に難しくなりました。
そこで今は、カルチャーを維持するための仕組みを整えています。たとえば「CULTURE BOOK」を作成したり、マネージャーにメンバーとの1on1を通じてフィードバックをしてもらったり、これは以前から取り組んでいましたが、各々に日報・週報で振り返りをしてもらったり。そういう工夫を通じて、カルチャーの熱量や濃度を保とうとしている状態ですね。
LANY「CULTURE BOOK」
──逆に「ここはあえて変えた」というポイントはありますか?
そうですね、何でもかんでも自分でやろうとしなくなりました。以前は「自分ができることで、クライアントに価値を提供して、会社を大きくしよう」と意気込んでました。でもリソースの限界や、ケイパビリティ的にも自分がボトルネックになっているなと気づきました。
もしかすると、何らかの事情で僕が一か月・二か月くらい不在になるかもしれない。そうなった際にプロジェクトがうまく回る状態を作っておくのが理想的だし、僕がレビューしなくても高品質なアウトプットをご納品できる状態にしておくべきじゃないかと。そこで一旦手持ちの業務を他のメンバーに引き継ぐ形を取ったら、想像以上にうまくいって。
「最前線に立ってすべて自分でやる」から「仲間に託す」組織運営へ転換したことで、ご提供できる価値・サービスも拡大しました。自分じゃ出せないようなバリューが、仲間から生まれました。
あとは、時間の使い方も変わりました。新たな角度での採用活動も始めましたし、LLMOといった最新トレンドへの対応、将来の市場変化を見据えた新しいサービスの企画や設計に動いています。その他にもさまざまな方とお会いして知見を深めたり、コネクションを構築したりする外交活動もしています。
つまり、僕たちが大切にしたいことは変えずに、社内のこと、事業のことに関しては"未来を考える"方向にシフトした。この2年半を総括すると、そんな感じだったんじゃないでしょうか。
「SEOといえば、LANY」のその先へ。LANYが向き合うのは、検索順位じゃなくて、クライアントの事業の未来
──「"未来を考える"方向にシフトした」とのことですが、事業の主力は変わらずSEOコンサルティングや記事制作だと思います。当時と比べて、事業ではどのような点に変化がありますか?
目指すところが「SEOといえば、LANY」から、さらにその先へと変化しました。
これまでは「SEOに強い会社」という認知を取りにいっていました。「SEOおたく」という名前でXをやったり、YouTubeの発信などに力を入れたりして、おかげさまで多くの方に認識していただけています。
LANY竹内1冊目の著書「強いSEO」
しかし、SEOに限定したご支援には価値提供の面で限界があると考え、「デジタルマーケティングといえば、LANY」を目指すことにしました。いわばこの2年半は転換期だったと思います。具体的には、広告・SNS・Indeed・YouTube・ウェビナーの運用代行などのご支援もできるように、仲間を集めてきました。
各領域の専門家が仲間入りしてくれたことで、クライアントに提案できる施策の幅が広がりました。SEOに関するご相談を受けてヒアリングしたら「それって、SEOじゃなくて広告だよね」となったときにご支援できるようになりました。
また、約5年におよぶ支援事業を通じて、成功パターンが見えてきました。どういうプロジェクトで成果が出て、どういうプロジェクトが伸び悩んだのか、見極めができるようになったんです。
成果の鍵は「顧客解像度の高さ」でした。クライアントの事業を深く理解することが、なにより重要であると再認識しています。そのために、社内体制の見直しを図ります。これまでは、SEO側でいうとサイトのタイプ別でチームを組んだり、コンテンツ制作に特化したチームを組んだりしていました。
これからは業界カット、つまり求人やEC・クリニック・士業といった切り口でクライアントに向き合うことが大切だと考えています。そのために、それぞれの業界に精通した“ドメインの専門家”に加わってもらい、より深く・的確なご支援ができる体制を整えていきたいと思っています。
HR事業を立ち上げたのは「人がいなきゃ、どんな事業も前に進まない」から
──既存の組織体制の見直しを行っているということですね。今後しばらくは、「デジタルマーケティングといえば、LANY」を目指していくのでしょうか?
デジタルマーケティングの領域で強みを発揮しつつ、LANYは「グロースパートナー」としてクライアントの隣に立ち、あらゆる側面から事業成長に伴走できる組織を目指しています。事業目線でのディスカッションができるパートナーを目指しています。
クライアントとやり取りしていると、人材紹介のニーズが高まっているのを実感します。「誰かいい人いませんか?」と聞かれることが本当に多くて。人材不足は深刻で、とくにマーケターの枯渇は顕著です。
日々クライアントの事業成長をご支援していて、どんなに優れた戦略を提案・実行しても、クライアント側に“動かす体制”がなければ中長期的な事業グロースは難しいと痛感しました。結局は人が重要です。
実は個人的なエピソードも絡んでいて、近所のおいしい唐揚げ屋が人手不足で閉店してしまって。どれだけおいしい唐揚げを作っていても、人がいなければ立ち行かなくなる。それを目の当たりにしました。もし僕たちが採用支援できていたら、事業継続の可能性があったかもしれません。
多岐にわたるマーケティングチャネルで、運用代行という形でご支援することもひとつの手段です。加えて、人材紹介や採用支援を通じて、クライアント自身が成長できる体制を構築できるようサポートすることが不可欠だと認識し、HR事業の立ち上げを決意しました。
最終的には「困ったら、LANYに相談しよう」と思ってもらえる存在を目指したいです。
価値あるモノが、ちゃんと届く社会を作りたい
──2年半ぶりのインタビューということで、改めてミッションに込めた想いを伺えますか?
「価値あるモノを、インデックスさせる」とは、世の中に存在する価値あるモノ、良いもの、困っている人々を助けるような素晴らしい事業やサービスを、適切に世の中に広め、その価値が正当に評価される状態にすることだと考えています。
ミッション誕生の理由について、明確な原体験は自分でもわからないんですが「価値あるモノを生み出している人、価値あることを行っている人」が大好きで。だから「応援したい」「友だちになりたい」という想いがあるのかも。そういう人たちと仲良くなりたくって。
「価値あるモノを正しく届ける」──それがLANYの社会的存在意義だと認識しています。
──「社会的存在意義」に関連するところで、プロボノ活動について教えてください。2023年ごろからプロボノ活動にも取り組まれてきたかと思いますが、どういった背景があったのでしょうか?
LANYはこれまで200社以上のお客様のご支援に携わり、ミッション達成に向けて力を尽くしてきました。その過程で、NPO法人のような非営利団体で、社会的に意義のある活動をしている方々へのご支援の難しさを感じていたのも事実です。そこで、LANYが定める条件に合致する法人や団体に対し、無償でご支援を行うプロボノ活動「RING」を開始しました。
実際にプロボノ活動を実施して気づいたことがあります。LANYがクライアントをご支援させていただき、その対価(営業利益)とリソースを活用することで、LANYのクライアントも間接的に社会貢献につながる「ステキな輪」を作り出せるんですよね。
LANYの強みであるデジタルマーケティング領域の知見・実績を活かして、関わってくれるみなさんと“RING(輪)”を作っていきたいと思っています。
──「社会的存在意義」と会社のビジョンには相通じるところがあるかと思いますが、何か変化はありましたか?
確かにそうですね。直近の取り組みでいうと、リブランディングを行いました。
これまで「デジタルマーケティングの力で、強くて優しい社会を作る」がビジョンでしたが、これからはデジタルマーケティングの枠を超えて「強くて優しい社会を作る」をビジョンに掲げていきます。
「クライアントの事業成長に多角的に伴走する"グロースパートナー"」を目指して、ソリューションを限定せずに、必要なご支援を実行していきます。
誰かの挑戦が、LANYを前に動かしている
2025年3月の総会 チームMVPのマーケティング広報PRチーム
──ここからは「経営」や「組織」にフォーカスしてお伺いします。どのようなときに「経営っておもしろい!」と感じますか?
自分が直接関わっていないところで事業が前に進んでいるシーンを見ると、めっちゃうれしいです。
具体例でいうと、新しいサービスのパッケージを作ってくれているときとか、自社サイトのリニューアルを主導してぐいぐい進めてくれているときとか、「あ、それやってくれてるんだ!」って。
自分が立ち上げた会社のミッションに共感して集まってくれた仲間が、率先して動いてくれている。本当にありがたいし、うれしいですね。
──メンバーの成長や挑戦を促すために、経営者として意識していることはありますか?
まずは、"ストレッチゾーン"の仕事をしてもらうことですね。常に成長してほしいという想いがあるので、メンバーには現在の能力より少し難しく、頑張ればできる「ストレッチゾーン」に当たる仕事をしてもらうことを重視しています。楽にこなせる「コンフォートゾーン」から抜け出すにはエネルギーが要りますが、“メンバーの成長=会社の成長”ですから。
それと、「楽しく働ける状態」を作ることも意識しています。「楽しい状態」とは、メンバー全員が自己効力感を持ち、組織に対して自分が価値を出せている・世の中に貢献できていると感じ、自分がやるべき仕事が明確にわかっている状態だと思っています。
メンバーにその状態で働いてもらいたいので、まずは自分自身が誰よりも楽しそうに働くことを意識していますね。それがきっといい雰囲気・モメンタムを生み出すと信じています。
──組織が拡大していく中で、"全員が同じ方向を向く"ためにどんな工夫をしていますか?
まずは、先ほどお話しした会社カルチャーを維持するための取り組みです。その一例が「CULTURE BOOK」や週報などですね。
あとは、会社のカルチャーを体現しているメンバーを、みんなの前で称賛することも大切にしています。「組織にとって理想的な姿」であると言及することで、他のメンバーにもその方向性を提示できたらと考えています。
これは採用面接でも重視していますが、各メンバーの人生のミッションと、会社のミッションが同じ方向を向いていればいいなと思っています。メンバーのみんなも、LANYに人生をベットしてくれていますから。
“同じ夢”を見られる仲間と働きたい
──先ほど「採用」という言葉が出てきたので、ここからは採用についてお伺いします。どのような人にLANYに入社してほしいですか?
「ミッションに共感してくれているか」は、採用におけるマスト条件です。
中途採用で重視しているのは、社会貢献に対する興味・関心です。単に「成長したいだけ」「お金を稼ぎたいだけ」のようにベクトルが自分に向いているのではなく、「誰か」や「社会」のために何かをしたい人です。あとは、何かに熱中できる資質・情熱がある人ですね。クライアントワークにおいて、クライアントの事業やサービスを好きになれることがよいご支援と成果につながる⸺それが僕の持論です。
──2025年になってから新卒採用に本格参入されました。この狙いはなんですか?
未来のLANYを担う主力に育てたいと考えています。
良い仲間に恵まれて、会社が安定した成長軌道に入り「事業が順調に伸びている」ことに確信を持てたからこそ、新卒採用に踏み切れました。
新卒は、何にでもなれる可能性を秘めています。“スポンジ”みたいに何でも吸収できる柔軟性とポテンシャルがあって。「LANYの生え抜き」として育てていける点も魅力なので、数年後にLANYの中心人物になってほしいと期待しています。
3年後、5年後、10年後もLANYが成長を続け、メンバーが誇りを持って働き、社会にとって価値ある存在であり続けるために、「中途人材だけではなく、新卒人材の力も必要だ」と強く感じました。
最前線に立ち続ける。それが、僕のリーダー像
──経営者として、どんな存在でありたいと考えていますか?
等身大のスーパースターでありたいですね。「身近な存在でありながら、頼れるリーダー」であり続けたい。LANYのみんなにはそう思ってもらえるとうれしいです。
僕は事業戦略を立てたり、そのためにうまくデリバリーさせる方法を考えたり、というのがあまり得意ではありません。だから、最前線に立ち続けて先陣を切っていきたいですね。刀を振り回しながら、傷もつけながら、常に最前線に立つ存在でいたい。その姿を見てみんなが信じてついてきてくれる、それが僕の目指すリーダーです。
──最後に、未来のメンバーにメッセージをお願いします
僕たちは、「価値あるモノが、ちゃんと届く社会」を本気で作ろうとしている会社です。
世の中には、まだ知られていないだけで、本当に良いサービスや、人の想いがたくさんある。そうした価値に光を当てて、必要とする人に届ける。それがLANYの役割だと信じています。
だからこそ、僕たちは「誰かの挑戦を応援したい」「社会を少しでも良くしたい」と思える人と一緒に働きたい。立派な経験やスキルよりも、その気持ちを行動に移せるかどうかを大切にしています。
僕らが目指すのは、“強くて優しい社会”。
クライアントの隣に立ち、ときには仲間に背中を預けながら、みんなで前に進んでいく。
自分の強みを活かして、誰かの力になりたい──そんな仲間と出会えることを、心から楽しみにしています。
デジタルマーケティングのお悩み、
まずはお気軽にご相談ください。
サービス詳細は資料でもご確認いただけます。