LLMOの対策プロンプト設計の教科書|検討・購買フェーズ別の設計方法を具体例も交えて徹底解説
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開催日時
2026年5月26日(火)12:30〜13:30
内容
- なぜ今「LLMO」なのか?
- SEOとLLMOの違い
- LANY式 LLMO対策フレームワーク
- LLMO成功事例
- Q&A
ChatGPTやGeminiに「おすすめの〇〇を教えて」と聞く──。この行動が当たり前になった今、LLM(大規模言語モデル)の回答に自社ブランドが「推奨」されるかどうかが、マーケティングの新たな競争軸になりつつあります。
この新しい検索行動に対して、ブランドが「選ばれる」ための手法がLLMO(Large Language Model Optimization)です。
本記事では、LLMOの最上流工程である「対策プロンプト設計」について、LANYが提唱するCEPを基にしてプロンプトを設計するフレームワークの全体像を解説します。従来のSEOキーワード選定とは根本的に異なる「ターゲットベース」の設計思想を、BtoC・BtoB両方の具体例とともにお伝えします。
SEOのキーワード選定と、LLMOのプロンプト設計の違い
LLMOの対策プロンプトを設計する前に、まずSEOのキーワード選定との違いを明確にしておく必要があります。両者は似て非なるものです。
SEOは「キーワードベース」の設計
SEOのキーワード選定は、ユーザーが検索エンジンに入力する「単語やフレーズ」を起点にします。「化粧水 おすすめ」「CRM 比較」のような断片的なキーワードに対して、1キーワード1ページの対応関係でコンテンツを設計します。
最大の利点は、検索ボリュームという明確な需要データがあることです。Ahrefsなどのツールを使えば、そのキーワードが月に何回検索されているかが正確にわかります。
LLMOは「ターゲットベース」の設計
一方、LLMOのプロンプト設計は「誰が、何を、なぜ知りたいのか」というターゲットを起点にします。
LLMに投げられるプロンプトは、SEOキーワードとは構造が根本的に異なります。SEOでは「化粧水 おすすめ」という断片的なキーワードですが、LLMでは「30代で乾燥肌の私におすすめのスキンケアブランドを教えて」のように、ユーザーの属性情報や文脈が豊かに含まれます。
さらに、LLMOにはSEOのような「プロンプトボリューム」の明確なデータがありません。どのプロンプトがどれだけ打たれているかは直接的にはわからず、SEOの検索ボリュームなどから推定する必要があります。
比較表
| 観点 | SEOキーワード選定 | LLMOプロンプト設計 |
|---|---|---|
| 設計起点 | キーワード(単語・フレーズ) | ターゲット(誰が何をなぜ知りたいか) |
| 情報の粒度 | 断片的(例:「化粧水 おすすめ」) | 文脈豊富(例:「30代乾燥肌におすすめの化粧水を教えて」) |
| 需要の把握 | 検索ボリュームで明確にわかる | 検索ボリュームなどから推定する |
| 対策単位 | 1キーワード = 1ページ | 1プロンプト = ブランド全体の情報設計 |
| 成果指標 | 検索順位・CTR | 推奨率(LLMがブランドを推奨・言及する確率) |
ターゲット起点がもたらす最大の転換
SEOでは「化粧水 おすすめ」と「化粧水 おすすめ 30代」は別のキーワードとして扱います。しかしLLMOでは、「30代で乾燥肌の女性」というターゲット像を起点に、そのターゲットが打ちそうなプロンプトを設計します。
この「ターゲット起点」の発想が、SEO思考からの最も大きな転換点です。
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LLMOで対策すべきプロンプトとは
すべてのプロンプトが対策対象になるわけではありません。ファネルの視点で、対策すべきプロンプトを絞り込みます。
ファネルで考える:MOFU・BOFUに集中する
マーケティングファネルの観点から、LLMOの対策対象を整理します。

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ここで重要な思想があります。TOFUからMOFUへの誘導は、LLMが自律的に実施します。「スキンケアのやり方」を聞いたユーザーが「おすすめのブランドは?」と続けて聞くのは自然な流れであり、LLMがその流れを作ります。したがって、コンバージョンに近いMOFU・BOFUの制御にリソースを集中させることが、ROIの観点から合理的です。
MOFUは「おすすめ」で面を取り、BOFUは「指名・比較」で落とす
対策対象となるMOFUとBOFUでは、プロンプトの設計方針が明確に異なります。
1. MOFU:切り口は「おすすめ」に統一する
MOFUのプロンプトには「おすすめ」「比較」「ランキング」などさまざまな切り口が存在します。本フレームワークでは、この切り口を「おすすめ」に統一します。
理由はシンプルです。実際にLLMに投げてみると、切り口が異なっても推奨されるブランドはほぼ同じだからです。LLMはウェブ上の情報を学習しており、評価の高いブランドはどの切り口で聞かれても上位に出てきます。切り口を増やして複雑にするよりも、「おすすめ」に絞ってシンプルに設計するほうが運用効率を最大化できます。
2. BOFU:自社名と競合名を直接組み込む
一方、BOFUは「おすすめ」ではカバーしきれません。ユーザーは「A社とB社の違いを表にして」といった高度な比較をLLMに求めたり、「C社の悪い評判はある?」とリスク確認を行ったりします。
LLMは特徴の比較や要約が非常に得意なため、ここで自社が競合に負けていたり、事実と異なるネガティブな情報(ハルシネーション)が出力されたりすると、コンバージョン率に致命的な影響を与えます。そのため、BOFUでは自社や競合の固有名詞を直接入れたプロンプトを個別に設計し、最後の背中を押す(あるいは懸念を払拭する)面固めを行います。
LANY式 対策プロンプト設計の進め方
ここから、LANYが実践する対策プロンプト設計の具体的な進め方を解説します。
CEP(カテゴリーエントリーポイント)という考え方
本設計では、マーケティングにおけるCategory Entry Point(カテゴリーエントリーポイント)の概念をLLMOに応用します。CEPとは「ユーザーがLLMに対して、自社カテゴリに関する質問を投げかけるタッチポイント」のことです。このCEPを構造的に特定し、再現性をもって対策プロンプトを設計していきます。
対策プロンプトを構成する3つの軸
対策プロンプトは以下の3つの軸を組み合わせて設計します。
|
この3軸に加えて、業界やサービスに応じた追加軸(例:「保湿/ニキビケア」などの目的)を柔軟に設ける場合があります。
プロンプト設計の5ステップ
Step 1:軸の定義
事業特性に合わせて、Who/What/Brandのセグメント・切り口を定義します。
Whoのセグメント・切り口は、BtoCとBtoBで大きく異なります。
| 事業タイプ | Whoのセグメント・切り口例 |
|---|---|
| BtoC | ・年代(20代/30代/40代/50代以上) ・悩み・状況(乾燥肌/敏感肌等) ・性別(女性/メンズ) |
| BtoB | ・業界(IT/製造/小売等) ・企業規模(スタートアップ/中小/中堅/大企業) ・部門・役職(営業/マーケ/経営者/情シス) |
Whatのセグメント・切り口は製品・サービスカテゴリの階層構造です。たとえばスキンケアであれば、上位に「スキンケア全般」、下位に「化粧水/美容液/乳液」が並びます。What別にWhoのセグメント・切り口が発生しうる点に注意が必要です。
Brandのセグメント・切り口には、「自社」「競合A」「競合B」など、比較検討されやすい具体的な固有名詞をリストアップします。
Step 2:カテゴリマトリクスの生成とレイヤー整理
定義した軸を掛け合わせ、対策プロンプト候補の全体像を把握します。実際のユーザープロンプトには、軸の掛け合わせの深さ(=「レイヤー」)にばらつきがあります。
| レイヤー | 構造 | プロンプト例 | 検索ボリューム/ CVとの近さ |
|---|---|---|---|
| L0 | What単体 | 「おすすめの化粧水を教えて」 | ボリューム:最大 |
| L1 | What × Who1つ | 「乾燥肌におすすめの化粧水」 | ボリューム:大〜中 |
| L2 | What × Who2つ | 「30代・敏感肌におすすめの化粧水は?」 | ボリューム:中 CV近接度:中 |
| L3 | What × Who3つ | 「30代・敏感肌の女性におすすめの化粧水は?」 | ボリューム:小 CV近接度:大 |
BOFU(名指し比較や評判系の検索)においては、自社が競合と比較して優位に立っているか、また回答を得たユーザーにとって自社が最も魅力的な選択肢として提示されているかが重要なポイントです。
検索ボリューム自体は大きくないものの、コンバージョン率が非常に高い傾向にあるため、MOFUのL0施策と並行して対策を進めていくことが望ましいです。
| 構造 | プロンプト例 | 検索ボリューム/ CVとの近さ |
|---|---|---|
| What ×Brand単体 | ・自社の化粧水の評判は? ・自社のSaaSの評判と導入メリットは? | ボリューム:小 CV近接度:最大 |
| What ×Brand自社×競合 | ・自社とA社の化粧水の違いは? ・自社とB社のSaaSを価格・機能面で比較して | ボリューム:小 CV近接度:最大 |
Step 3:フィルタリングと代表プロンプト配置
対策プロンプト候補を実際の対策対象に絞り込みます。
① レイヤー間の波及効果(MOFU対策)
上位レイヤー(L0)で推奨が獲得できていれば、下位レイヤー(L1)でも推奨される蓋然性が高いという重要な考え方です。「おすすめの化粧水」で推奨が取れていれば、「30代におすすめの化粧水」でも推奨される可能性は高まります。そのため、まずはL0から対策します。
② 面取り設計──カテゴリの「空白」をなくす
Whatの各カテゴリに対して最低1つの対策プロンプトが配置されている状態を担保します。検索ボリュームによる優先順位付けだけだと「クレンジング」や「洗顔」のような比較的ボリュームの小さいカテゴリが漏れがちですが、LLM上で自社ブランドが一切推奨されない「空白」を作るのはリスクです。必ず各カテゴリに最低1つの対策プロンプト(L0)を配置します。
③ ハルシネーションの排除(BOFU対策)
BOFU(名指し比較や評判系の検索)においては、自社の強みが正しく比較表に反映されているか、事実無根の悪評が生成されていないかをチェックし、対策すべきプロンプトをピックアップします。
Step 4:プロンプト構文化(テンプレート方式)
WhoやWhatを変数構文テンプレートに当てはめ、機械的にプロンプトを生成します。
| 段階 | テンプレート | 生成プロンプト例 |
|---|---|---|
| MOFU (L0) | おすすめの$What$を教えてください | おすすめの化粧水を教えてください |
| MOFU (L1) | $Who$におすすめの$What$を教えてください | 30代におすすめの化粧水を教えてください |
| BOFU (自社) | $自社$の$What$の評判・口コミを教えて | 〇〇の化粧水の評判・口コミを教えて |
| BOFU (自社×競合) | $自社$と$競合$の$What$を比較して教えて | 〇〇と△△の美容液を比較して教えて |
Step 5:優先度スコアリング
各対策プロンプトに紐づくSEOキーワードの「合算検索ボリューム」で優先順位を決定します。
MOFUにおいてはボリュームが最大となるレイヤー0が最優先です。一方で、BOFU(名指し比較や評判)は検索ボリューム自体は小さくてもコンバージョン率が極めて高いため、L0と同等の優先度として並行して対策を進めるのが基本です。
実践例①:BtoCスキンケアでのプロンプト設計
BtoCの「スキンケア」カテゴリを題材に、具体例を挙げます。
Step 1:軸の定義
|
Step 3-4:テンプレート適用と生成
|
Step 5:優先度スコアリング
「おすすめの化粧水」(対象キーワードの検索数合算: 37,000)のようなL0プロンプトから対策し波及効果を狙いつつ、CVに直結するBOFUの「自社と競合Aの比較」でLLMが自社を魅力的に語るように情報を整備します。
実践例②:BtoB SaaS/CRMでのプロンプト設計
続いて、BtoBの「SaaS/CRM」カテゴリでの実践です。
Step 1:軸の定義
|
Step 3-4:テンプレート適用と生成
|
Step 5:優先度スコアリング
BtoB領域は検討期間が長いため、社内稟議の際にLLMが叩き台として使われるケースが増えています。「おすすめのCRMツール」(対象キーワードの検索数合算: 9,800)での面取りに加え、BOFUでの「名指し比較」で自社の優位性(例:A社よりサポートが手厚い等)がLLMの回答に反映されるよう対策することが極めて重要です。
LANYではBtoBに特化した「BtoBのLLMOガイドブック」を無料公開しています。LLMOの対策方法や具体的な支援実績をまとめていますので、BtoB商材におけるLLMO推進を検討されている方は、ぜひあわせてご活用ください。
プロンプト設計後の流れ:LANY式LLMOフレームワーク
プロンプト設計はLLMOの最上流工程です。「何を対策するか」が決まった後は、「どう対策するか」のフェーズに移ります。
| Phase | 名称 | 問い | アウトプット |
|---|---|---|---|
| 1 | プロンプト設計(本記事) | どのプロンプトを対策するか? | 優先度付きプロンプトリスト |
| 2 | 現状の可視化 | 今、LLMは何を推奨しているか? | プロンプト別推奨状況レポート |
| 3 | 課題設定(KBF分析) | なぜ自社は推奨されないのか? | KBF一覧と自社ギャップ |
| 4 | 対策方針の立案 | 何をどこに配置すれば推奨されるか? | RTB × トリプルメディア施策ロードマップ |
| 5 | 検証・PDCA | 施策は効いているか? | 推奨率推移ダッシュボード |
プロンプト設計で対象を決め、Phase 2〜4でLLMの学習ソース(オウンドメディア・外部メディア等)へ自社が選ばれる理由(RTB)を配置し、Phase 5で検証する。この一連のフローがLANY式LLMOフレームワークの全体像です。
各フェーズの具体的な内容については、LLMO白書(全70P)で解説しておりますので、ぜひダウンロードのうえご確認ください。
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<LLMOのフレームワークやKPI設計、成功事例、ROIの考え方まで!>
AIに選ばれ、推奨を獲得するための新たなマーケティング戦略を体系化した全70ページのガイドブックです。
まとめ
本記事のポイントを整理します。
- LLMOのプロンプト設計は「ターゲットベース」: 「キーワード」ではなく、文脈やターゲット像起点で設計する。
- MOFUとBOFUで戦い方を変える:
- MOFU(検討層): 「おすすめ」に切り口を統一し、カテゴリ内での面取りと波及効果を狙う。
- BOFU(購入層): 自社名・競合名を用いた「名指し比較」や「評判確認」を個別に設計し、CV前の懸念を払拭する。
- プロンプト設計は「Who × What × Brand」の3軸: テンプレート方式で再現性を担保し、カテゴリの「空白」を作らない面取り設計を行う。
- プロンプト設計はLLMOの入口: 設計後の「可視化→課題設定→対策方針→PDCA」まで一気通貫で実行することが成果を出す鍵。
LANYでは、本記事で紹介したプロンプト設計フレームワークを含むLLMOコンサルティングを提供しています。LLMOの対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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検索エンジン最適化(SEO)の基本は、「検索エンジンに正しく情報を届け、自社の価値を伝えること」です。
この考え方は今後も変わりませんが、近年ではChatGPTやGeminiといった大規模言語モデル(LLM)の台頭により、情報の届け先が“人”だけでなく“AI”にも広がっている状況です。
従来のSEO対策をベースとしつつ、AIからも「信頼できる情報源」として正しく認識されるためには、新たな観点や仕組みの設計が求められます。
本資料では、そうした背景を踏まえた“LLMO(大規模言語モデル最適化)”の考え方と対応のポイントを整理したチェックリストをご提供しています。
AI時代に対応した、次世代SEO「LLMO」対策のチェックリスト資料をぜひ参考にしてみてください。
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