サイレント辞退とは?87%がAIの回答で選考辞退する実態と防ぐための4つの対策
無料ウェビナーのお知らせ
開催日時
①2026年6月11日(木)11:30〜12:30【LIVE開催】
②2026年6月17日(水)11:30〜12:30【アーカイブ放送】
内容
- 採用マーケティングにおけるLLMOの重要性
- LLMOの対策方法
- 採用LLMOの対策方法のイメージ
- 採用LLMOの成功事例
- Q&A(6/11回のみ)
「応募数も内定承諾率も落ちているのに、理由が見えない」。このような悩みを抱える採用担当者が増えています。
結論からお伝えします。その原因は、AI検索の影響による「サイレント辞退」の増加かもしれません。
サイレント辞退とは、求職者が企業へ連絡することなく、応募や選考を辞退することです。近年はAIを活用して企業研究を行う求職者が増え、応募前や選考途中で志望度が下がった結果、企業へ連絡せず離脱するケースも見られます。
その根拠となるのが、LANYが転職経験者111名を対象に実施した調査です。AIで企業を調べた求職者の87.4%が、AIの情報をきっかけに応募や選考を辞退した経験があると回答しました。つまり、候補者との接点が生まれる前、あるいは選考の初期段階で、企業が把握できないまま候補者の意思決定が行われているのです。その結果、採用担当者が気づかないうちに、採用プロセスの入り口で候補者を取りこぼしています。
私たち株式会社LANYは、Ahrefs(エイチレフス)日本公式アンバサダー第一号として、AI検索最適化(LLMO)を専門にマーケティング支援をしています。本記事の裏付けとなっているサイレント辞退実態調査も、自社で実施しました。
この記事では、その調査結果をもとに、サイレント辞退の実態や発生する原因、そして自社で防ぐための具体的な対策を解説します。
サイレント辞退とは、候補者が企業に伝えずに離脱すること
サイレント辞退とは、求職者が企業へ連絡することなく、応募や選考を辞退することです。
近年、企業の採用活動では、応募後に連絡が途絶えたり、面接の日程調整中に返信がなくなったりするケースが増えています。こうした、企業への連絡なしに選考プロセスから離脱する行動を「サイレント辞退」と呼びます。
サイレント辞退の特徴は、辞退理由がわからないこと
サイレント辞退の最大の特徴は、候補者が辞退の理由を企業へ伝えない点にあります。
通常の辞退であれば、「条件が合わない」「他社への入社を決めた」など、候補者から何らかの理由が伝えられるケースも少なくありません。そのため企業は、辞退理由をもとに採用活動を見直すことができます。
一方、サイレント辞退では候補者から連絡がないため、企業は離脱の事実に気づくまでに時間がかかったり、なぜ辞退したのかを把握できなかったりします。
その結果、企業側では次のような状況が発生します。
- スカウトを送っても返信がない
- カジュアル面談の打診に反応がない
- 面接の日程調整中に連絡が途絶える
- 選考途中で突然連絡がなくなる
候補者が離脱した理由がわからないため、採用活動の課題を特定しにくく、改善につなげづらいことがサイレント辞退の大きな問題です。
なぜ今、サイレント辞退が増えているのか
サイレント辞退が増えている理由の1つに、求職者の企業研究がAIへ移行したことにあります。
以前はGoogle検索で企業のホームページや求人サイト、口コミサイトなどを見比べながら情報収集するのが一般的でした。しかし近年では、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに「この会社はどんな会社?」「働く環境はどう?」と質問し、企業研究を行う求職者が増えています。
AIは複数の情報源をもとに企業情報を要約して回答します。求職者はその回答を参考にしながら、応募や選考に進むかどうかを判断します。
そのため、AIの回答から不安や懸念を感じた場合、企業へ辞退の意思を伝えることなく応募や選考を見送るケースも生まれています。企業側から見ると、候補者がなぜ離脱したのかわからないまま連絡が途絶えるため、サイレント辞退として現れるのです。
【調査データ】サイレント辞退は実際に起きている

サイレント辞退は、実際に広く起きています。ここからは、LANYが実施した調査の結果を紹介します。直近1年以内に転職活動を行い、AIで企業情報を調べた25〜45歳の111名が対象の調査結果です。
AIで企業を調べた求職者の87.4%が応募・選考辞退の経験あり

調査では、87.4%が「AIで調べた企業情報がきっかけで、応募の取りやめや選考辞退をした」と回答しました。AIで企業を調べた求職者の大多数が、AIの情報をもとに辞退を経験しています。
この数字は、サイレント辞退が一部の例外ではなく、AIを使う求職者の間で広く起きていることを示します。
92.8%がAIで企業のネガティブ情報を目にしている

辞退に至る前の段階で、多くの求職者がAIの回答の中で企業に関するネガティブな情報を目にしています。調査では、92.8%の求職者が「AIに企業について質問した際、ネガティブな印象を受ける情報を目にした」と回答しました。
目にしたネガティブ情報の内訳は、次のとおりです。

- 残業が多い・ワークライフバランスが悪いという情報:63.1%
- 社風や職場の人間関係に関するネガティブな情報:35.9%
- 給与水準が低い・待遇面が良くないという情報:30.1%
働き方に関するネガティブ情報が、最も多く目にされています。
辞退の引き金は「他社比較での不利な評価」が69.1%で最多

辞退に至った求職者に対し、AIの回答のうち何が辞退の引き金になったのかを質問しました。
- 他社との比較で不利な評価をされていた:69.1%
- ネガティブな口コミや退職者の声が引用されていた:40.2%
- 企業の評判やイメージに関するネガティブな記述があった:27.8%
最も多かったのは「他社との比較で不利な評価をされていた」という回答でした。AIは複数の企業情報を比較・要約して提示することを得意としているため、比較の中で競合他社より見劣りする印象を与えると、応募や選考辞退の判断につながりやすいと考えられます。
調査レポート:【転職×AI 実態調査】87%がAIの回答で選考辞退。採用プロセスに潜む”サイレント辞退”の課題
AIがサイレント辞退を引き起こす3つの要因
求職者のAI活用がサイレント辞退を引き起こす要因は、主に3つあります。古い情報や不正確な情報をもとにしたAIの誤った回答、他社との比較における不利な評価、そしてAIの回答によって生まれたネガティブな第一印象の残りやすさです。
原因①:AIが古い情報や存在しない制度を回答する
1つ目の原因は、AIが企業に関する誤った情報を生成してしまうことです。これは「ハルシネーション」と呼ばれ、実在しない事実や古い情報をあたかも正しい情報であるかのように提示してしまう現象を指します。
実際に、AIの回答に不正確な情報が含まれていたと感じた求職者に聞いたところ、次のような内容が多く挙げられました。

- すでに変更されている古い情報が記載されていた:58.1%
- 存在しない制度や福利厚生が記載されていた:41.9%
- 事業内容や規模が実際と異なっていた:32.6%
公式サイトに最新の一次情報が十分に掲載されていない場合、AIは古い情報や業界の一般論をもとに回答を生成します。その結果、事実と異なる内容や誤解を招く回答が生まれることがあります。
原因②:他社と比較され、不利に要約される
2つ目の原因は、AIによる他社との比較です。求職者は複数の企業で迷ったとき、「A社とB社ならどちらに転職すべきか」「自分に合っているのはどちらか」といった質問をAIに投げかけます。AIはWeb上の情報をもとに各社の特徴を整理し、比較したうえで回答を提示します。
このとき、自社の強みや独自性に関する情報がWeb上に十分に存在しない場合、AIは他社を相対的に高く評価する可能性があります。その結果、比較の中で自社が見劣りする印象を与え、候補者の辞退につながることがあります。
辞退理由として最も多かったのは「他社との比較で不利な評価をされていた」という回答でした。この結果からも、AIによる企業比較が求職者の意思決定に大きな影響を与えていることがわかります。
原因③:ネガティブな第一印象は、事実確認しても払拭されにくい
調査では、AIの回答をそのまま信じた求職者はわずか3.1%でした。つまり、96.9%の求職者は自ら追加で情報を調べ、事実確認を行っています。

それにもかかわらず、87.4%が最終的に応募や選考を辞退しています。この結果から、AIによって形成されたネガティブな第一印象は、事実確認を行った後でも完全には払拭されにくいことがうかがえます。
「もしAIの指摘が本当だったら避けたい」「少しでも不安が残る企業は選びたくない」といった心理が、辞退の判断を後押ししている可能性があります。
だからこそ、AIの回答に誤解を招く情報やネガティブな印象が含まれないよう、AIが参照する情報を整備し、回答そのものを改善していくことが重要です。
サイレント辞退を防ぐ4つの対策(採用LLMO)

AIの利用によるサイレント辞退を防ぐには、AIの回答を整える取り組みが有効です。この取り組みを採用LLMOと呼びます。採用LLMOとは、求職者が使うAIの回答に、自社情報を正しく反映させるための最適化です。具体的な対策は、次の4つです。
- AIに自社がどう語られているかを確認する
- 採用サイトのFAQで正確な一次情報を整える
- 採用ブログでリアルな社風を発信する
- 口コミサイト・第三者メディアの評判を整える
順に解説します。
①AIに自社がどう語られているかを確認する
まず、ChatGPTやGeminiに自社のことを実際に聞いてみてください。すべての出発点は現状把握です。「自社の評判は?」「自社の残業時間は?」「自社と競合のどちらがおすすめ?」といった質問を投げかけ、AIがどのように自社を評価しているのかを確認します。
そのうえで、回答に誤情報が含まれていないか、競合との比較で不利な評価を受けていないかをチェックしましょう。問題が見つかった箇所こそ、優先的に対策すべきポイントです。
②採用サイトのFAQで正確な一次情報を伝える
次に、採用サイトにFAQ(よくある質問)を用意します。AIは、質問と回答がセットになったFAQ形式の情報を引用しやすいためです。
LANYが自社の採用サイトで実施した検証では、FAQを追加したことで、社名を含む質問に対する採用サイトの引用率が66%から76%へと10ポイント向上しました。
AIは求職者の疑問に答える情報を優先的に参照する傾向があります。そのため、「年収はどのように決まるのか」「リモートワークは可能か」といった求職者が実際に知りたい内容をFAQとして整理し、明確に回答することが重要です。
検証の詳細なレポートは、以下の記事でご確認いただけます。

③採用ブログでリアルな職場環境やカルチャーを発信する
採用ブログには、社員インタビューや仕事の進め方、キャリアパス、評価制度など、求職者が知りたい情報を詳しく掲載できます。こうした情報は、AIが企業について回答する際の参照情報として活用される可能性があります。
また、良い面だけでなく、入社後に直面しやすい課題やその乗り越え方についても発信することで、求職者はより具体的に働くイメージを持てるようになります。透明性の高い情報発信は、応募前の不安やミスマッチの軽減につながります。
LANYでは、自社の採用オウンドメディア「CULTURE」を対象に、Geminiの回答240件を分析し、AI回答と参照元データの関係性を検証しました。検証結果の詳細は以下の記事で紹介していますので、ぜひあわせてご確認ください。

④口コミサイト・第三者メディアの評判を整える
4つ目は、公式サイト以外での評判を整えることです。
生成AIは、公式サイトだけでなく、口コミサイトやニュース記事、業界メディアなどさまざまな情報源を参照して回答を生成します。そのため、公式サイトで発信している内容と第三者サイト上の情報に一貫性があるほど、自社の特徴や強みがAIの回答に反映されやすくなります。
実際に、選考辞退の引き金として40.2%が「ネガティブな口コミや退職者の声の引用」を挙げていました。こうした影響を減らすためには、口コミサイトでのレビュー蓄積や、プレスリリースの配信、業界メディアへの掲載などを通じて、自社に関する信頼性の高い情報を継続的に発信していくことが重要です。
下記の記事では、採用LLMOを実践するうえで押さえておきたい施策を5つのステップに分けて体系的に解説しています。本記事とあわせて読むことで、具体的な進め方まで理解できますので、ぜひご覧ください。
関連記事:採用LLMOとは?AI検索時代に9割が選考辞退する前にやるべき5ステップ
AI検索によるサイレント辞退対策を本格化するなら|LANYの採用LLMOコンサルティング

「自社で4つの対策全てを進めるのは難しい」と感じた採用担当者には、LANYの採用LLMOコンサルティングがおすすめです。AI上で自社がどう語られているかの可視化から、情報の整備、効果検証までを一気通貫で支援します。
LANYは、デジタルマーケティング支援を専門とする会社です。SEOに加え、AI検索最適化(LLMO)の領域でも実績を積み重ねています。本記事で紹介した240プロンプトの定点調査をはじめ、自社の採用活動を検証の場として活用しながら、実践を通じて手法を磨いてきました。
特に、次のような課題を持つ採用担当者におすすめです。
- 応募や承諾が落ちているが、理由がわからない
- AIに自社を聞くと、事実と異なるネガティブな情報が出てしまう
- 何から手をつければいいか、社内に知見がない
まずは、自社がAIにどう語られているかを知ることから始まります。現状を把握したい採用担当者は、お気軽にご相談ください。
サイレント辞退に関するよくある質問
Q. サイレント辞退が起きているか、企業側で把握できますか
直接の把握は困難です。候補者が理由を伝えないためです。一方で、AI検索の影響によるサイレント辞退については、ChatGPTやGeminiに自社について質問し、その回答を確認することで、候補者がどのような情報に触れているのかをある程度推測できます。辞退につながりうる誤情報やネガティブな評価を発見できる場合もあります。
Q. どの段階の候補者がサイレント辞退につながりやすいですか
スカウトやオファーを受け取った直後が多くなります。LANYが実施した調査結果では、AIで企業を調べるタイミングは「スカウトメールやオファーを受け取った後」が53.2%で最多でした。
企業からアプローチを受けた直後は、求職者が企業情報を裏取りするタイミングです。この段階でAIの回答からネガティブな印象を受けると、応募や選考からの離脱が起きやすくなります。
根拠となる調査レポートはこちらからご確認ください。
調査レポート:【転職×AI 実態調査】87%がAIの回答で選考辞退。採用プロセスに潜む”サイレント辞退”の課題
Q. AIの誤情報は企業側で修正できますか
直接書き換えることはできません。ただし、AIが参照する情報源を整えることで、回答を間接的に修正できます。例えば、公式サイトに正確で最新の一次情報を掲載したり、口コミサイトや第三者メディア上の情報を充実させたりすることで、AIが正しい情報を参照しやすくなります。
Q. 中小企業でも対策する意味はありますか
あります。AIに相談した求職者の94.6%が「知らなかった企業を提案された」と回答しています。
知名度が高くない企業にとって、AIは新たな候補者との接点を生み出す可能性があります。AI上で自社の魅力や正確な情報が適切に伝わる状態を整えることで、サイレント辞退を防ぐだけでなく、これまで接点のなかった候補者に見つけてもらえる機会にもつながります。
まとめ|AI検索によるサイレント辞退はAIの回答を整えることで防げる
AIで企業を調べた求職者の87.4%が応募・選考の辞退を経験している今、AI上でどのように自社が評価されているかを把握し、適切に情報を整えることは採用活動において重要な取り組みになっています。
まずは、自社についてChatGPTやGeminiに質問してみてください。誤った情報や競合との比較で不利な評価が見つかった場合は、本記事で紹介した4つの対策を参考に、AIが参照する情報を整備していきましょう。
LANYでは、企業のAI上での見え方を診断し、採用サイトや情報発信の改善を支援する採用LLMOコンサルティングを提供しています。サイレント辞退対策や採用LLMOの進め方について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。
出典
※本記事の制作には生成AIを活用していますが、編集者によってファクトチェックや編集をしています。また、掲載している画像はすべてデザイナーが制作したものです。
採用マーケティングのLLMOガイドブック
生成AIの普及により、求職者がAIと相談しながら就職先・転職先を検討することが一般化しつつあります。企業名や職種名をAIに入力するだけで、企業の評判、働き方、カルチャー、競合比較、向いている人・向いていない人まで要約されるようになり、AIの回答が応募や内定承諾の意思決定に影響を与える場面も少なくありません。
一方で、AIが古い情報や誤った情報、ネガティブな口コミをもとに回答したり、競合他社を推薦したりすることで、採用担当者が直接関与できない段階で候補者が離脱してしまうリスクも生まれています。
つまり、これからの採用マーケティングでは、求人媒体や採用サイト上での見せ方だけでなく、AIに自社をどう認識・推薦してもらうかが重要になります。
本資料では、採用マーケティングにおけるLLMOの考え方から、AI上での自社の見え方を可視化する方法、採用サイト・採用ブログ・第三者メディアを活用した具体的な対策まで、実践的に解説しています。
デジタルマーケティングのお悩み、
まずはお気軽にご相談ください。
サービス詳細は資料でもご確認いただけます。