【転職×AI 実態調査】87%がAIの回答で選考辞退。採用プロセスに潜む”サイレント辞退”の課題
LANY LLMO LABでは、直近1年以内に転職活動を行い、その過程でChatGPT・Gemini・Perplexity等の対話型生成AIを利用して特定の企業に関する情報を調べた経験がある25〜45歳111名を対象に、採用プロセスにおけるAIが引き起こす「サイレント辞退」実態調査を実施しました。
本記事では調査結果について解説します。
1.調査結果のポイント

- 01|転職活動中に対話型生成AIで企業情報を調べた利用者の約9割が、AIの情報をきっかけに「応募取りやめ・選考辞退」の経験あり
- 02|辞退の引き金、「他社との比較で不利な評価」が69.1%で最多、「ネガティブな口コミの引用」も4割超
- 03|AIの企業情報に、「事実ではない・正確ではない」と感じた経験がある人は91.5%
2.調査分析者のコメント
今回の調査で明らかになったのは、求職者の情報収集プロセスにおいて、企業の発信する情報と求職者の間に「対話型AI」が新たなフィルターとして介在し始めているという変化です。
実際に、求職者はAIの情報を自ら検証しつつも、一度抱いたリスクを懸念して応募前に辞退するなど、意思決定において多大な影響を受けています。
自社がAIからどのように言及されているかを把握し、参照先となるWeb上のあらゆる情報源を横断的に最適化するLLMO(AI検索最適化)への取り組みが、今後の採用戦略において重要な一歩となるでしょう。
■分析者プロフィール
株式会社LANY 代表取締役 / LANY LLMO LAB 責任者 竹内 渓太

リクルートでタウンワークのSEOやAirWorkのBtoBマーケティングを推進。広告運用やCRMまで幅広く経験。特に、大規模サイトのSEOとBtoBマーケティングに強みを持つ。LANY自体のBtoBマーケティングもリードし、YouTubeやオフライン施策も活用しながら、事業成長を牽引。
3.調査結果(データと考察)
【調査概要】
- 調査名称:採用プロセスにおけるAIが引き起こす「サイレント辞退」実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2026年4月1日〜同年4月3日
- 有効回答:直近1年以内に転職活動を行い、その過程でChatGPT・Gemini・Perplexity等の対話型生成AIを利用して特定の企業に関する情報を調べた経験がある25〜45歳の111名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
URL:https://www.lany.co.jp/lany-llmo-lab/job-candidate-ghosting |
3-1)AIで企業情報を調べるタイミング、「スカウトメールやオファーを受け取った後」が53.2%でトップ
「Q1. あなたが転職活動中に、対話型生成AIで企業の情報を調べたのはどのようなタイミングでしたか。(複数回答)」(n=111)と質問したところ、「スカウトメールやオファーを受け取った後」が53.2%、「応募するかどうか迷っていた時」が40.5%、「面接の前」が38.7%という回答となりました。

- スカウトメールやオファーを受け取った後:53.2%
- 応募するかどうか迷っていた時:40.5%
- 面接の前:38.7%
- 求人情報を見つけた直後:37.8%
- 面接の後(選考を続けるかどうか判断する時):20.7%
- 複数企業を比較検討していた時:15.3%
- 内定を受けた後(承諾するかどうか迷っていた時):12.6%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.9%
3-2)9割超が、AIで企業を調べた際にネガティブな印象を持つ情報を目にした経験あり
「Q2. あなたは、対話型生成AIに企業について聞いた際に、その企業に対してネガティブな印象を持つような情報(不安材料・マイナスイメージにつながる内容)を目にした経験はありますか。」(n=111)と質問したところ、「ある」が92.8%、「ない」が7.2%という回答となりました。

- ある:92.8%
- ない:7.2%
- わからない/答えられない:0.0%
3-3)目にしたネガティブ情報、「残業が多い・ワークライフバランスが悪い」が63.1%で突出
「Q3. Q2で「ある」と回答した方にお聞きします。どのようなネガティブ情報を目にしましたか。(複数回答)」(n=103)と質問したところ、「残業が多い・ワークライフバランスが悪いという情報」が63.1%、「社風や職場の人間関係に関するネガティブな情報」が35.9%、「給与水準が低い・待遇面が良くないという情報」が30.1%という回答となりました。

- 残業が多い・ワークライフバランスが悪いという情報:63.1% 社風や職場の人間関係に関するネガティブな情報:35.9% 給与水準が低い・待遇面が良くないという情報:30.1%
- 離職率が高い・人の入れ替わりが激しいという情報:27.2%
- 事業の将来性や経営の安定性に対する懸念:18.4%
- 情報が抽象的で中身がなく、企業の実態が伝わらなかった:17.5%
- 他社と比較した際に劣っているという評価:15.5%
- 事実かどうか疑わしい情報が含まれていた:6.8%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
3-4)約9割が、AIの情報をきっかけに応募取りやめ・選考辞退を経験あり
「Q4. あなたは、対話型生成AIで調べた企業情報がきっかけで、応募の取りやめや選考の辞退をした経験はありますか。」(n=111)と質問したところ、「ある」が87.4%、「ない」が12.6%という回答となりました。

- ある:87.4%
- ない:12.6%
- わからない/答えられない:0.0%
3-5)辞退の引き金、「他社比較で不利な評価」が69.1%で最多、「ネガティブな口コミの引用」も約4割
「Q5. Q4で「ある」と回答した方にお聞きします。応募の取りやめや選考の辞退の引き金となった、AIの情報の特徴を教えてください。(複数回答)」(n=97)と質問したところ、「他社との比較で不利な評価をされていた」が69.1%、「ネガティブな口コミや退職者の声が引用されていた」が40.2%、「企業の評判やイメージに関するネガティブな記述があった」が27.8%という回答となりました。

- 他社との比較で不利な評価をされていた:69.1%
- ネガティブな口コミや退職者の声が引用されていた:40.2%
- 企業の評判やイメージに関するネガティブな記述があった:27.8%
- 給与・待遇に関する不利な情報が提示されていた:25.8%
- 情報が抽象的で、企業の実態や魅力が伝わらなかった:19.6%
- AIが「おすすめしない」「注意が必要」という趣旨の回答をした:10.3%
- 業界内での位置づけや知名度が低い印象を受けた:7.2%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
3-6)辞退前に44.3%が、「企業公式サイトやIR情報」で確認、「AIの情報をそのまま判断材料にした」はわずか3.1%
「Q6. Q4で「ある」と回答した方にお聞きします。応募の取りやめや選考の辞退を決める前に、AIの情報が正しいかどうかを確認しましたか。」(n=97)と質問したところ、「企業の公式サイトやIR情報で自分で確認した」が44.3%、「口コミサイトやSNSで確認した」が23.7%という回答となりました。

- 企業の公式サイトやIR情報で自分で確認した:44.3%
- 口コミサイトやSNSで確認した:23.7%
- 企業の採用担当者や面接官に直接確認した:20.6%
- 知人・友人・エージェントに確認した:8.2%
- 確認せず、AIの情報をそのまま判断材料にした:3.1%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
3-7)91.5%が、AIの企業情報に「事実ではない・正確ではない」と感じた経験があると回答
「Q7. Q6で「確認せず、AIの情報をそのまま判断材料にした」と回答した方以外にお聞きします。あなたは、対話型生成AIが提示する企業情報の中に、事実ではない・正確ではないと感じる内容が含まれていた経験はありますか。」(n=94)と質問したところ、「ある」が91.5%、「ない」が7.4%という回答となりました。

- ある:91.5%
- ない:7.4%
- わからない/答えられない:1.1%
3-8)不正確と感じた情報の特徴、第1位「既に変更されている古い情報が記載されていた」、第2位「存在しない制度や福利厚生が記載されていた」
「Q8. Q7で「ある」と回答した方にお聞きします。事実ではない・正確ではないと感じた情報にはどのような特徴がありましたか。(複数回答)」(n=86)と質問したところ、「既に変更されている古い情報が記載されていた」が58.1%、「存在しない制度や福利厚生が記載されていた」が41.9%、「企業の事業内容や規模が実際と異なっていた」が32.6%という回答となりました。

- 既に変更されている古い情報が記載されていた:58.1%
- 存在しない制度や福利厚生が記載されていた:41.9%
- 企業の事業内容や規模が実際と異なっていた:32.6%
- 他社の情報と混同されていた:27.9%
- 根拠が不明な評価やランキングが含まれていた:18.6%
- 出典が不明な退職者の声や口コミが引用されていた:14.0%
- 情報が曖昧すぎて事実確認ができなかった:5.8%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
3-9)94.6%がAIに相談した結果、知らなかった企業を提案された経験あり
「Q9. あなたは、転職活動中に対話型生成AIに相談した結果、自分では思いつかなかった企業や、それまで知らなかった企業を提案された経験はありますか。」(n=111)と質問したところ、「ある」が94.6%、「ない」が5.4%という回答となりました。

- ある:94.6%
- ない:5.4%
- わからない/答えられない:0.0%
3-10)AI提案企業への行動、約6割が「口コミサイトやSNSで評判確認」を実施
「Q10. Q9で「ある」と回答した方にお聞きします。対話型生成AIに提案された企業に対して、実際にどのような行動をとりましたか。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「口コミサイトやSNSでその企業の評判を確認した」が58.1%、「興味を持ち、その企業の公式サイトや採用ページを調べた」が36.2%、「対話型生成AIでさらに詳しく聞いた」が33.3%という回答となりました。

- 口コミサイトやSNSでその企業の評判を確認した:58.1%
- 興味を持ち、その企業の公式サイトや採用ページを調べた:36.2%
- 対話型生成AIでさらに詳しく聞いた:33.3%
- 実際にその企業に応募した:31.4%
- 興味は持ったが、具体的な行動はしなかった:6.7%
- 特に興味を持たなかった:1.0%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
4.本調査を通した考察/~【採用担当者】AI時代に求められる3つの視座~
① 候補者は「会う前に判断している」──AIが採用の主導権を握り始めている
- 求職者がAIで企業情報を調べるタイミングは「スカウト受信後」53.2%、「応募検討中」40.5%が上位を占め、87.4%がAI情報をきっかけに選考辞退に至っています。
- AIの登場により、担当者との接触"前"の段階でも候補者の意思決定が進んでいることが示された結果となりました。今後は接触後のコミュニケーション強化だけでなく、候補者との接触前にどのように認知されるかを形成する採用広報の重要性が高まっており、LLMO(AI検索最適化)はその有効な手段の一つとなっています。
② AIで形成されたネガティブ印象は「修正困難」
- 調査対象者の87.4%が、AIで調べた企業情報をきっかけに応募の取りやめや選考辞退に至ったと回答している一方で、「AIの情報をそのまま判断材料にした」とする回答はわずか3.1%にとどまっています。つまり96.9%の候補者は、何らかの手段で情報の正確性を自ら確認しています。
- この結果は、候補者自身で情報の正確性を確認したとしても、AIの回答によって一度形成されたネガティブな印象やリスク認識は払拭されにくく、「万が一本当であれば避けたい」という心理が、選考辞退の意思決定を後押ししている可能性を示唆しています。
- AI時代の採用広報には、「正確な情報を発信する」だけでなく、自社がAIにどのように解釈・言及されるかを踏まえた対応が求められます。公式サイトや比較・レビューサイトを含めた情報エコシステム全体を設計し、AIにポジティブに参照されるための情報戦略が重要になります。
③ AIは採用のリスクであると同時に、新たな母集団形成のチャネルでもある
- 調査対象者の94.6%が「AIから知らなかった企業を提案された」と回答しています。つまり、採用広報としてのLLMO(AI検索最適化)への取り組みは、選考辞退防止の守りだけでなく、これまでリーチできなかった候補者へのアプローチという「攻めの採用戦略」としても位置づけることができるでしょう。
5.本調査のまとめ

- 今回の調査結果では、AIが転職活動における企業選定に影響力を持ち始め、採用担当者が直接関与できない段階で候補者が離脱する「サイレント辞退」が、転職活動でAIを活用する候補者の間で広範に発生している実態が明らかになりました。
- 候補者がAIを活用する時代の採用戦略として、まずはAIの回答に事実と異なるネガティブな情報が含まれていないか、候補者に伝えたい採用メッセージが適切に反映されているかなど、自社がAIにどのように言及されているかを確認することが重要です。これが、採用戦略におけるLLMO(AI検索最適化)の第一歩となります。
- そのうえで、公式サイトをはじめとするオウンドメディアの情報整備や、第三者メディア・口コミサイトでの評判形成など、AIが参照するあらゆる情報源を横断的に最適化する取り組みこそが、「サイレント辞退」を防ぎ、ひいては採用を強化することにつながるのではないでしょうか。
6.LANYの採用LLMO(AI検索対策)支援について
LANYでは採用マーケティングにおけるAI検索対策(LLMO)の支援サービスを提供しています。
マーケティング領域で培ったLLMOの知見を、書籍・メディア出演・白書(全70ページのガイドブック)などを通じて業界にアウトプットし、「AI検索時代の第一人者」としてのポジションを確立してきました。その知見を採用マーケティング領域にも展開しています。
また、自社の採用ページで実際に検証し、AIがLANYについて語る内容が改善した実績をもとに支援いたします。診断から情報設計・コンテンツ制作まで一気通貫で対応できるため、設計と実装が分断されない伴走型の支援が可能です。
詳細については以下サービスページよりご確認ください。
採用マーケティングにおけるLLMO(AI検索対策)サービスページはこちら>>
また、AIでの情報収集が一般化した現在の採用マーケティングにおいて重要となる「採用のためのAI検索対策(LLMO)」のメソッドを一冊にまとめましたので、こちらも併せてご確認ください。
採用マーケティングのLLMO(AI検索対策)ガイドブックはこちら>>
※無料でダウンロードいただけます
採用マーケティングのLLMOガイドブック
生成AIの普及により、求職者がAIと相談しながら就職先・転職先を検討することが一般化しつつあります。企業名や職種名をAIに入力するだけで、企業の評判、働き方、カルチャー、競合比較、向いている人・向いていない人まで要約されるようになり、AIの回答が応募や内定承諾の意思決定に影響を与える場面も少なくありません。
一方で、AIが古い情報や誤った情報、ネガティブな口コミをもとに回答したり、競合他社を推薦したりすることで、採用担当者が直接関与できない段階で候補者が離脱してしまうリスクも生まれています。
つまり、これからの採用マーケティングでは、求人媒体や採用サイト上での見せ方だけでなく、AIに自社をどう認識・推薦してもらうかが重要になります。
本資料では、採用マーケティングにおけるLLMOの考え方から、AI上での自社の見え方を可視化する方法、採用サイト・採用ブログ・第三者メディアを活用した具体的な対策まで、実践的に解説しています。
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