LLMO・AI

LLMOに投資すべき企業・すべきでない企業の違い|調査データと事例から考える判断基準

LLMOに投資すべき企業・すべきでない企業の違い|調査データと事例から考える判断基準
目次

無料カンファレンスのお知らせ

無料カンファレンスのお知らせ

開催日時

2026年11月11日(水)10:00〜18:00

内容

今の勝ち筋は、来年もう効かない。

AIによる環境変化やチャネルの飽和により、マーケティングの常識が激変しています。 本イベントでは、成長企業のマーケターが2026年の計画対比の実績や失敗、そして「2027年、何をやめて何に張るか」というリアルな意思決定を開示します。

来年度の予算と戦略を固める前に、この“マーケ組織 本音の答え合わせ”にご参加ください。

ChatGPTやGeminiの普及を受け、LLMO(大規模言語モデル最適化)に取り組む企業が増えています。一方、「自社でも必要なのか」「SEOより優先すべきか」「売上への貢献をどう評価するのか」と、投資判断に迷う担当者も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、すべての企業が今すぐLLMOに大きく投資する必要はありません。 LANYでは、特に「購入前に情報を集め、複数の商品・サービスを比較し、自分に合うものを選ぶ商材」はAI検索と相性が良いと考えています。ただし、最終的には自社の顧客のAI利用状況、競合との推奨状況の差、期待できる事業成果を踏まえて判断すべきです。

本記事では、国内外の調査とLANYの支援事例をもとに、投資優先度の考え方を整理します。

なぜLLMOの投資判断は難しいのか

最大の理由の一つは、AIが認知や比較検討に与える影響を、アクセス解析だけでは捉えきれないことです。例えば、ChatGPTで会社を知った人が、後日Googleで社名を検索して問い合わせた場合、GA4ではGoogle検索からの流入として記録される可能性があります。

LANYの2026年7月の実績では、GA4のAI経由セッション比率は0.95%。一方、問い合わせ・資料ダウンロード時の認知経路アンケートでは、28.1%が生成AIを挙げました。

KPIと投資対効果の考え方両者は集計対象・分母が異なるため直接比較できませんが、流入だけでAIの影響を判断しないことの重要性がわかります。LANYの支援先でも、クリニックや転職領域でAIが重要な認知接点となる事例が見られます。

こうした状況では「GA4のAI流入が少ないから、LLMOへの投資は不要」と即断するのは早計です。流入データに加え、問い合わせ時の認知経路や商談でのヒアリングなど、複数の接点から影響を確かめる必要があります。

国内外の調査から見る、AI検索と相性が良い商材

調査で共通して見えてくるのは、AIが商品・サービスの発見だけでなく、比較検討や候補の絞り込みにも使われているという点です。

調査主な結果示唆
NTTデータ(日本、2026年)AI利用経験者の調査で、比較検討段階のAI利用は44.5%。購買判断への強い影響は不動産・住宅76.7%、自動車71.6%、教育64.6%など高関与で比較条件の多い商材に注目
L.E.K. Consulting(米国、2026年)AIを活用した購買リサーチは旅行71%、家電・電子機器65%、金融商品62%条件整理や商品比較の負担が大きい領域と相性が良い
McKinsey(欧州、2026年)調査回答者の38%が調査・購買判断にAIを利用。多くのカテゴリの利用率は30〜36%程度AI活用は高関与商材に限らず広がっている

※3調査は対象国・対象者・設問・割合の分母が異なります。数値を横並びで比較せず、購買行動の傾向として参照してください。また、NTTデータのカテゴリ別割合は、各カテゴリでAIの影響を受けたと回答した人における「強い影響」の割合であり、生活者全体の利用率ではありません。

特に注目したいのは、AIに質問すれば複数の条件をまとめて整理できる点です。例えば旅行なら、行き先・予算・同行者・移動時間を一度に伝えて候補を絞れます。L.E.K.の調査では、AIを使った購買リサーチ後も94%が検索エンジンや口コミ、ブランドサイトなどで追加確認をしており、AIと従来のWebサイトが併用されていることもわかります。

一方、McKinseyの調査では眼鏡のAI利用率は13%と低く、実際のフィット感などAIだけでは判断しにくい商品もあります。AIが役立つ比較検討シーンが存在するかを商材ごとに考えることが重要です。

LANYでは、次の特徴を持つ商材ほどAI検索との相性が良いと考えています。

  1. 選択肢が多い:複数のサービスから候補を絞り込む(転職、住宅など)
  2. 比較が複雑:価格・機能・実績を横断して評価する(BtoB SaaS、保険など)
  3. 専門知識が必要:判断に専門的な説明が必要(IT、金融、教育など)
  4. 個別条件で最適解が変わる:利用者の状況によっておすすめが違う(旅行、転職など)
  5. 失敗コストが大きい:慎重な情報収集が必要(住宅、自動車など)

例えば勤怠管理SaaSなら、「300人規模で複数拠点に対応し、給与システムと連携できるサービス」とAIに相談することが考えられます。こうした比較検討の場で、自社サービスが候補に入ることには大きな価値があります。

ただし、上記は調査結果とLANYの知見をもとに整理した仮説であり、業界だけでLLMOの投資効果が決まるわけではありません。また、前述の3つの調査は主に生活者を対象としており、BtoB SaaSの例は購買プロセスの特徴を踏まえた考察である点にも留意が必要です。

自社はLLMOに投資すべきか?5つのチェック項目

次の質問にYESが多ければ、LLMOへの投資を検討する価値が高い可能性があります。

  1. 顧客は購入前に複数の選択肢を比較するか?
  2. 選択に専門的な情報やアドバイスが必要か?
  3. 口コミ・評判・第三者評価が選択に影響するか?
  4. 顧客はAIを情報収集・比較検討に利用しているか?
  5. 新規顧客を数件獲得すれば、一定の投資を回収できるか?

YESが4〜5個なら積極投資候補、2〜3個なら小規模な検証候補、0〜1個なら他施策との比較を優先というのが簡易的な目安です。これは統計的に検証された判定基準ではありません。特に顧客のAI利用実態が不明な場合、まず確認が必要です。

さらに、同じ業界でもAI上ですでに十分推奨されている企業と、競合ばかり推奨されている企業では改善余地が違います。投資優先度を決めるには、自社と競合の現在地も見る必要があります。

例えば、顧客のAI利用が多く競合ばかり登場するなら、LLMOを優先して検討する理由があります。一方、AI利用が少なかったり、すでに自社が十分推奨されていたりする場合は、大規模な追加投資を急ぐ必要はないかもしれません。SEOや広告、CVR改善に大きな改善余地があれば、そちらを優先する判断も合理的です。

LANYの支援事例:AI経由CVが約4倍に

LANYが支援した業界特化型の転職エージェントでは、LLMO施策に取り組んだ後、4ヶ月でAI経由CVが約4倍になりました。

同社には特定業界への専門性や独自の支援体制がありましたが、サイト上の説明は「手厚い支援」など抽象的な表現が中心でした。そこで、独自メソッド・支援体制・定量実績など、顧客が比較判断に使える情報をサービスページ等に追加しました。

その後、「おすすめの転職エージェント」といった重要な質問で候補に登場し、AI Overviewsでもブランド表示が確認されました。CV増加のすべてをLLMO単独の効果とは断定できませんが、もともとある強みを具体的な根拠として公開することの重要性がうかがえます。

この事例で重要なのは、AIに好かれるための表面的な文章変更ではなく、顧客がサービスを選ぶために必要な事実を増やしたことです。AI上で推奨されることと、その後に顧客が納得して問い合わせることの両方につながる改善を目指しました。

LANY自身も、業種別LPの作成、サービスページの改善、選ばれる理由(RTB)の追記などを継続しています。こうした取り組みと並行して、生成AIを認知経路に挙げた割合は2026年5月の24.6%から7月の28.1%へ上昇しました(個別施策との因果関係は未特定)。

支援経験を踏まえると、成果につながる条件は「AI上に比較需要がある」「顧客に選ばれる強みがある」「その強みを公開情報で具体的に伝えている」の3つです。LLMOは、存在しない強みを作る施策ではありません。

どこまで投資する?取り組み方は2パターン

最初から専任チームを組む必要はありません。事業上の重要度に応じて、次のように取り組み方を選べます。

 A:既存施策に組み込むB:専用リソースで継続運用
対策範囲現状把握、サービスページ・実績・FAQなど自社サイトの改善自社サイトに加え、比較メディアやPRなど第三者接点も整備
実行体制既存のSEO・マーケティング担当者が兼任LLMO担当を設け、SEO・PR・広告と連携
向いている企業まず小さく検証したいAI検索の重要度と改善余地が大きい

 AからBへ段階的に広げることも、Aを継続することも合理的です。第三者メディアへの掲載がAIの推奨を保証するわけではありません。

例えば、公式サイトに料金・実績・FAQなどの情報が不足しているなら、まずは自社サイトを改善する方が自然です。一方、主要な比較検討プロンプトで競合が第三者メディアを根拠に推奨されているなら、信頼できる比較サイトや業界メディアへの情報提供も検討します。いずれも、どの情報が不足し、誰に何を伝える必要があるかを確認してから選ぶ施策です。

ROIは推定値として捉え、複数指標で評価する

AI検索の需要や購買への影響は直接観測しづらいため、投資対効果は仮定を置いたシナリオ試算で考えます。

期待事業貢献額 = 関連するSEO検索需要 × AI利用率 × ブランド選択率 × CVR × 1CVあたりの期待粗利

「施策後の期待事業貢献額-施策前の期待事業貢献額」を増分粗利とみなし、ROI=(増分粗利-LLMO関連費用)÷ LLMO関連費用×100で計算します。

なかでも「ブランド選択率」は直接の実測が難しい項目です。重要プロンプトを20〜50問程度決め、どれくらいの頻度で自社が推奨され、何番目に掲載されるかを観測して仮置きします。ただし推奨率と実際のユーザーの選択率は別物です。想定値を一つに固定せず、保守・標準・積極の複数シナリオで考えます。

例えば年間検索需要10万回、AI利用率20%、ブランド選択率5%→15%、CVR5%、1CVあたりの期待粗利1万円なら、増分粗利の期待値は100万円。年間費用が50万円なら期待ROIは100%です。これは実績でも将来の確定予測でもなく、特にAI利用率とブランド選択率には大きな仮定があります。

施策後は、①AI上の推奨率、②AI経由流入・CVや認知経路、③商談・受注・粗利を組み合わせて評価します。詳しい試算方法はLLMOの投資対効果(ROI)の考え方をご覧ください。

まずは自社と競合の現在地を把握する

取り組む際は、重要なプロンプトの設定 → 自社・競合の推奨状況の比較 → 参照元や選ばれる理由(RTB)の不足分析 → 対策の優先順位付け → 効果検証の設計の順で進めるのがおすすめです。

最初から大量のコンテンツ制作や外部メディアへの掲載に予算を使うのではなく、顧客がAIにどんな質問をするのかを整理し、競合と比較した弱点を確認します。そこで明確な改善余地が見つかれば投資を拡大し、見つからなければ維持・モニタリングにとどめる判断もできます。

LLMOへの投資は目的ではありません。顧客がAIで比較検討する場面で、自社が適切に評価され、選ばれる状態を作ることが目的です。自社の商材との相性、競合とのギャップ、期待できる事業成果を踏まえ、必要な範囲から取り組みましょう。

株式会社LANYのLLMOコンサルティングの特徴

株式会社LANYのLLMOコンサルティングは、300社以上のLLMO診断実績や、書籍『強いLLMO』の出版、LLMOの知見を体系化した「LLMO白書」の発行などを通じて蓄積してきた知見と分析力を強みとしています。豊富な診断データと改善実績、業界最前線の知見をもとに、戦略設計から施策の実行・効果検証まで一貫してサポートします。

①300社以上のLLMO診断実績

生成AIに対する自社の認識・推奨のされ方を可視化する「LLMO診断」を、BtoB、金融、EC、クリニック、人材など、多様な業界で実施。300社以上の診断データがあるから、業界ごとの「つまずき方」と改善パターンを見極められます。

②成功事例から得た実践知

AI推奨率が18%→49%に改善した事例や、AI経由のCVが約4倍に増加した事例など、業界を問わず成果につながった豊富な実践知を蓄積しています。

③LLMOを専門的に研究する社内組織「LANY LLMO LAB」

LANYでは、LLMOやAI時代の消費者行動・マーケティングを専門的に研究するR&Dチームを有し、その研究成果を発信するシンクタンクメディア「LANY LLMO LAB」を運営しています。

自然言語処理の研究者を外部顧問に迎え、生成AIのアルゴリズムやAIからの評価基準、ユーザーの検索・購買行動の変化などを継続的に調査・検証。そこで得られた最新の知見を支援先の施策に反映するとともに、調査レポートや検証結果として積極的に発信しています。

→LANY LLMOコンサルティングサービスの詳細はこちら>>

→LLMOコンサルティングサービス概要資料のダウンロードはこちら>>

記事が参考になったら、ぜひボタンから優先ソースへの追加をお願いします

追加するとGoogle検索やAIの概要でLANYのサイトが見つけやすくなります

プロフィール画像
担当メンバー 竹内 渓太

株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。大規模サイトのSEOを中心に、デジタル広告運用やBtoBマーケティングなど多種多様な業務を経験。その後、株式会社LANYを創業し、Webメディア・サービスサイト・データベース型サイトなど幅広いモデルのSEO改善をプレイヤーとしてサポート。現在もプレイヤーとして多くの企業のSEOコンサルティングに取り組んでいる。

X・YouTubeチャンネルで「SEOおたく」としても情報発信中。著書『強いSEO』『強いBtoBマーケティング』『強いLLMO』(エムディエヌコーポレーション)出版。

>>詳細なプロフィールはこちら

【無料お役立ち資料】 LLMO対策の教科書

【無料お役立ち資料】 LLMO対策の教科書

ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)が普及し、情報の届け先は“検索エンジン”から“AI”へと広がっています。
こうした時代において重要なのが「AIに選ばれる」状態をつくる“LLMO(大規模言語モデル最適化)”の視点です。


本資料『LLMO対策の教科書』では、AIがブランドをどう選ぶのか、その仕組みや企業が取るべき対策、実践事例までを体系的に解説。

SEOの次に取り組むべき“次世代の最適化”を、一冊にまとめました。
AI時代における新しいSEOの入門書として、ぜひご活用ください。

デジタルマーケティングのお悩み、
まずはお気軽にご相談ください。

LANYがお客様と共に考え、最適な解決の方向性をディスカッションを通じて見つけ出します。
サービス詳細は資料でもご確認いただけます。