AI検索時代、会社紹介ページはどう作るべきか。海外の投稿とLLMO案件から見えたこと
先日、海外のマーケターによる「AI検索時代には、About Usページを最適化すべき」という投稿を見かけました。

内容を簡単にまとめると、会社紹介ページに以下のような情報を整理して掲載すべき、というものです。
- 自社が何の会社なのか
- どのようなサービスを提供しているのか
- 競合と何が違うのか
- どのような顧客が利用しているのか
- 誰が会社を運営しているのか
- 契約後にどのようにサービスが提供されるのか
- 料金や契約条件、実績などの基本情報
- よくある質問
非常に示唆的な内容でした。
一方で、LANYでLLMOのプロジェクトや検証を進めていると、これらに加えて重要だと感じるポイントもあります。
本記事では、先ほどの投稿を参考にしながら、AI検索時代の会社紹介ページに「何を書くべきか」「どのように書くべきか」を、私たちなりに整理します。
会社紹介ページは「AIに自社を説明するページ」にもなっている
これまで会社紹介ページは、会社概要や沿革、代表メッセージ、ミッション・ビジョンなどを掲載する場所として利用されることが一般的でした。
もちろん、これらの情報は現在でも重要です。
しかし、ChatGPTをはじめとしたAI検索の利用が広がったことで、企業サイトには新たな役割が加わりつつあります。
たとえば、ユーザーはAIに対して以下のような質問をします。
「この会社は何をしている会社ですか?」
「どのような企業に向いていますか?」
「A社とB社の違いを教えてください」
「〇〇に強い会社を教えてください」
こうした質問に回答するためには、AI側もWeb上から企業に関する情報を取得する必要があります。
OpenAIも、WebサイトのコンテンツをChatGPTの検索結果や要約に表示させるためには、OAI-SearchBotによるクロールを許可する必要があると案内しています。
また、2026年8月にアップデートされたGPT-5.6 Solでは、事実の信頼性を高める改善が行われたことも公表されています。
「GPT-5.6では公式サイトを優先して引用する」といった仕様が公表されているわけではありませんが、私たちがLLMO案件を分析している中でも、企業自身に関する情報を回答する際に、公式サイトが重要な情報源になるケースは多く確認しています。
実際に、LANYのR&D室のLLMO LABでChatGPT5.6の回答傾向について分析をすると、下記のように site: コマンドが多用されるようになり、公式サイトの情報を引用しようという動きが多く見られています。
| 変化 | GPT-5.5 | GPT-5.6 Sol | 意味 |
|---|---|---|---|
| site: 指定の比率 | 11.3% | 61.0% | 候補企業の公式サイトを直接確認する比重が上昇 |
| 1回目検索に比較系語を含む割合 | 51.7% | 25.5% | 最初から比較記事を探す比重が低下 |
| site: で名指し後、推奨として本文に残る割合 | 28% | 28% | 「見に来る」と「選ぶ」は別の関門 |
参考:GPT-5.6でAIの回答はどう変わったか - 日本語810回答の実測調査
そのため、会社紹介ページは単なる会社概要ではなく、自社についての正確な一次情報をAIに伝える場所として捉えることが重要になっていると考えています。
会社紹介ページには何を書くべきか
先ほどの海外投稿では8つの要素が紹介されていましたが、大きく整理すると、以下の4つが重要だと考えています。
1. 自社が何者なのか
まずは、「何の会社なのか」を明確にします。
たとえば、
「株式会社〇〇は、〇〇業界の企業に対して、〇〇を支援する会社です」
といった形です。
会社紹介ページでは、ミッションやビジョンだけでなく、カテゴリー、対象顧客、提供サービスなどを具体的に説明することが重要です。
2. 誰に、何を提供しているのか
サービス名を並べるだけではなく、
「どのような顧客の、どのような課題を、どのように解決するのか」
まで説明します。
AIがその企業を推薦するためには、「何を提供しているか」だけでなく、誰に適したサービスなのかを理解できる情報が必要になるためです。
3. 競合と何が違うのか
競合企業との違いも重要です。
たとえば、
- 得意な顧客層
- 支援範囲
- 料金体系
- 契約期間
- 支援体制
- 得意領域
などです。
単に「伴走力が強みです」と書くのではなく、どの比較軸において、どのような違いがあるのかを具体的に示すことが重要です。
4. その情報を信頼できる根拠
そして、主張だけではなく、その根拠も掲載します。
たとえば、
「大企業の支援に強い」
のであれば、
「大企業を何社支援してきたのか」
「どのような企業を支援しているのか」
「どのような成果が出ているのか」
まで説明します。
LANYでは、顧客が商品やサービスを選ぶ基準をKBF(Key Buying Factor)、その主張を信じるための根拠をRTB(Reason to Believe)として整理することがあります。
会社紹介ページにおいても、「選ばれる理由」と「それを裏付ける事実」をセットで掲載することが重要だと考えています。
「誰向けか」だけでなく「どんな状況で選ばれるか」まで整理する
ここからは、私たちがLLMO案件を進める中で、さらに重要だと感じているポイントです。
まず、単にターゲットを書くことだけでは十分ではない可能性があります。
重要なのは、
「どのような状況にいるユーザーに、自社を推薦してほしいのか」
まで整理することです。
たとえば、
「大企業向けのSEOコンサルティング会社です」
だけでは、推薦されるシーンはまだ曖昧です。
一方で、
「すでにSEOには一定の投資をしているものの、AI検索への対応方法が整理できておらず、SEO・LLMO・広告を横断して検索マーケティング全体を改善したい企業に適しています」
まで説明されていれば、適した利用シーンがより明確になります。
LANYでは、このような「顧客が商品やサービスを必要とする状況」をCEP(Category Entry Point)として整理することがあります。
AIに自社を推薦してもらうことを考える場合も、TargetだけでなくCEPまで整理してWeb上に情報を出すことは重要だと考えています。
営業資料にしかない情報を、Webにも出す
LLMO案件を進めていると、非常にもったいないと感じるケースがあります。
それは、営業資料には重要な情報が大量に載っているのに、Webサイトには存在しないケースです。
たとえば、
- 支援実績
- 顧客企業
- 競合との違い
- プロジェクト体制
- 支援の流れ
- 料金
- 契約条件
- 選ばれる理由
などです。
営業担当者であれば、商談の中でこれらを説明できます。
しかし、AIが利用できるのは基本的にアクセス可能な情報です。
そのため、営業活動で繰り返し説明している重要な情報は、公開可能な範囲でWeb上にも掲載することをおすすめします。
これは比較的シンプルですが、多くの企業で改善余地があるポイントだと感じています。

「何を書くか」だけでなく、「どう書くか」も重要
そして、LLMOでは情報の中身だけでなく、情報の整理方法や文章構造も重要だと考えています。
最近、ChatGPTのWeb検索における情報取得の挙動を観測した海外の投稿が話題になりました。
この内容はOpenAIが公式に公開した仕様ではないため、事実として断定することはできません。
ただし、その観測結果では、Webページ全体をそのまま利用するのではなく、ページを複数のブロックに分割し、その中から関連性の高い一部の情報を取得している様子が確認されたとされています。

引用元:
投稿者の観測では、ページが約170words前後のブロックに分割され、情報源ごとに一部のブロックが回答生成に利用されていたとのことです。
ここで重要なのは、「170wordsに合わせて文章を書くべき」ということではありません。
私たちが重要だと考えているのは、
Webページの一部分だけが取得されたとしても、その部分だけで意味が理解できる状態にすること
です。
チャンク単位でも意味が伝わる文章にする
たとえば、以下の文章を考えてみます。
「このような背景から、これが当社の強みです。そのため、多くのお客様に選ばれています。」
ページ全体を読めば意味が分かるかもしれません。
しかし、この部分だけが取り出された場合、「このような背景」「これ」が何を指しているのか分かりません。
一方で、
「LANYは、SEO・LLMO・広告を横断して検索マーケティング全体を支援できることを強みとしています。」
と書かれていれば、この一文だけでも意味を理解できます。
このように、コンテンツを作成する際には、以下のようなポイントを意識することが重要だと考えています。
- 見出しだけで、そのセクションの内容が分かる
- 見出し直下で結論を提示する
- 主語や対象を明確にする
- 「これ」「それ」などの代名詞に依存しすぎない
- 1つのセクションでは1つのテーマを扱う
- 主張と根拠を近い場所に配置する
- 複数の情報を扱う場合は、箇条書きや表を活用する
言い換えると、「チャンク単位でも情報として成立する文章構造」を意識するということです。
LANYの検証でも「情報の整理方法」は重要だった
この考え方は、私たちがAI Overviewsを対象に実施した検証結果とも一致します。
LANYでは、AI Overviewsが表示されているものの、自社記事が引用されていなかった50記事を対象にリライトを実施しました。
具体的には、
「結論ファースト」
「Q&A形式」
「箇条書きや表による構造化」
「専門用語を平易な表現に置き換える」
といった改善を行っています。
その結果、リライト後に50記事中16記事、32%で新たにAI Overviewsからの引用を確認しました。また、35記事、70%ではオーガニック検索順位も改善しています。
参考:AIフレンドリーなリライト施策検証 - AI Overviewsの引用成功率は32%、引用記事の81%で順位も改善したロジックを解説
もちろん、この検証はAI Overviewsを対象としたものであり、同じ施策を行えばChatGPTでも必ず引用されるという意味ではありません。
しかし、少なくとも、
情報量を増やすだけでなく、AIが情報を解釈しやすい構造に整理することも重要である
という仮説を補強する結果だと考えています。
AI検索時代の会社紹介ページは「何を伝えるか」と「どう伝えるか」の両方を考える
ここまでの内容をまとめると、AI検索時代の会社紹介ページでは、大きく2つの観点が重要です。
1つ目は、AIに何を知ってほしいのかです。
自社は何者なのか、誰向けなのか、どのような状況で選ばれるのか、競合と何が違うのか、その根拠は何なのか。
こうした情報を整理して掲載します。
2つ目は、AIがその情報を理解しやすい形になっているかです。
結論を先に書き、1つのセクションでは1つのテーマを扱い、主張と根拠を近づけます。そして、一部分だけが取得されたとしても意味が成立する文章を作ります。
つまり、
「何を書くか」と「どう書くか」の両方を最適化すること
が重要です。
これはAIのためだけの施策でもありません。
私たちがAI Overviewsの検証でも確認したように、結論が明確で、論理的に整理され、読みやすいコンテンツは、人間にとっても理解しやすいものです。
AI検索が普及していく中で、会社紹介ページは単に会社概要を掲載するページではなく、
「人間とAIの両方に、自社が何者で、どのようなときに選ばれる会社なのかを正確に伝えるページ」
として設計し直す必要があるのではないでしょうか。
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