山梨県産業技術センター様|「良いモノ」をAI時代に埋もれさせないために。LANY代表・竹内が第二の故郷で伝えた、本質的な価値を届ける「LLMO」の可能性
山梨県の地場産業(繊維・宝飾など)を技術の側面から支える「山梨県産業技術センター」様にて、県内の中小企業経営者やデザイナーの皆様に向けた講習会を開催しました。講師はLANY代表の竹内が務め、テーマは「AI時代が変える消費者の検索行動」。
きっかけとなったのは、業界紙『繊研新聞』に掲載された竹内の寄稿記事でした。
「良いモノを作っているのに、その価値が顧客まで正しく届かない」
そんな地方産業の切実な課題に対し、LANYは「AI時代の検索対策(LLMO)」という視点から、職人のこだわりや技術をAIという新しい仕組みのなかでどう「言語化」し、正しく見つかる状態をつくっていくべきか、そして明日からの一歩につながる具体的なアクションを提案しました。
この記事では、LANYがこの活動に取り組む背景や、当日の講義の様子をお伝えします。
【講義の概要】
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「価値あるモノ」が正しく評価される社会へ。LANYがプロボノとして山梨へ向かった理由
講演の会場となった山梨県産業技術センター
山梨の地場産業には、織物や宝飾など、数値では測りきれない「唯一無二の品質や風合い」を持つ製品が多くあります。しかし、マーケティングに莫大な予算をかけられない地方の企業は、どうしても「知る人ぞ知る」存在に留まりがちなことに加え、現在のオンライン市場では安価な製品と比較されやすく、本来の良さが埋もれやすいという現状があります。
それでも「自社サイトを訪れてもらい、深く知ってもらう」という地道な運用でファンを増やしてきた企業もある中で、AIの登場により、その勝ちパターンが揺らぎ始めています。
ユーザーがAIの回答だけで満足してしまい、サイトを訪れなくなる「ゼロクリックリサーチ」の台頭。竹内の繊研新聞への寄稿を目にし、この未来に危機感を抱いたセンターの担当者様よりご連絡をいただいたことが、今回の講習会のきっかけでした。
LANYのミッションである「価値あるモノを、インデックスさせる」とは、こうした本来備わっている価値を、デジタルの力で正しく世の中に見つかる状態にすることです。AI検索の時代は、品質やこだわりといった「価値そのもの」をAIに正しく学習させることができれば、これまでリーチできなかった層へ情報を届けるチャンスが広がります。
「予算勝負」ではなく「本質的な価値」で選ばれる仕組みを、産地の皆様にとっての「新しい武器」として役立ててほしい。その想いを持って、私たちは竹内にとって第二の故郷でもある山梨へ向かいました。
| 【プロボノ活動を開始した背景】 LANYは「価値あるモノをインデックスさせる」というミッションを掲げるデジタルマーケティングエージェンシーです。これまで200社以上のお客様のご支援に携わり、ミッション達成に向けて力を尽くしてきました。 その過程の中で、NPO法人をはじめとする非営利団体として社会的意義のある価値ある活動をしている方々のご支援が難しい点を歯がゆく感じていた側面があります。そこで、LANYの定めた条件に合致する法人や団体のご支援を無償で行わせていただくプロボノ活動(※)の実施を決定いたしました。 ※社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活用して取り組む社会貢献活動 |
【講義レポート】AI検索元年。これからの情報の届け方

ここからは、当日の講義内容をダイジェストでお届けします。
検索のルールが変わった。「答えを探す」から「答えを得る」時代へ
従来の検索は、ユーザーが自分でキーワードを考え、リンクを辿り、情報を整理するという「手間」を負うものでした。しかしAIはこのコストを劇的に圧縮し、ダイレクトに「答え」を提示してくれます。
Gartner社の予測によれば2026年には検索の25%がAIチャットに置き換わると予測されており(※1)、情報の入り口は今、まさに劇的に変化しています。
AI時代の検索の変化(資料スライドより)
ここで無視できないのが「見つからないリスク」です。Google検索にAIの回答枠(AI Overviews)が表示されると、Webサイトへのクリック率は34.5%減少するというAhrefs社の調査データもあります(※2)。
[2] https://ahrefs.com/blog/ai-overviews-reduce-clicks/(2025-04-17 公開)
トラフィックの減少だけではありません。AIがユーザーに代わって「おすすめ」を選別する時代において、その回答の中に自社のブランド名や製品への言及がなければ、顧客の比較検討のテーブルにすら乗れないという、決定的な機会損失が起こるのです。
サイトに来てもらうのを待つのではなく、AIという新しい意思決定者に「推奨」されるための対策が、これからのブランドの生命線になります。これは決して脅威ではなく、地場産業ならではの強みや希少性を、データとファクトを用いて訴求できるようになれば、その価値を正当に評価してもらえる大きなチャンスでもあるのです。
AIに好まれるのは「曖昧な主張」よりも「確かな根拠」
AIはどのようにして推奨するブランドを選んでいるのでしょうか。
その裏側では、AIが膨大なデータをもとに「高速な連想ゲーム」を行いながら回答を作り上げています。
たとえば、ユーザーが「姿勢をよくする椅子が欲しい」と検索したとき、AIの頭の中では以下のような連想が働きます。
ハーマンミラーの事例(海外事例)(資料スライドより)
この連想の輪の中に自社が含まれるためには、「Webに対する情報の伝え方」が極めて重要になります。AIは「おしゃれ」「かっこいい」といった主観的な表現よりも、「創業〇〇年」「リピート率〇%」といった客観的なファクト(事実)を信頼する性質があるからです。
そして何より重要なのは、こうした「AIが信頼できる事実」がWeb上にテキストとして存在していることです。どれほど素晴らしい製品でも、Web上に情報がなければ、AIがそのファクトを参照することができず、推奨の選択肢に入ることすらできません。
山梨の地場産業の価値を、AIに、そしてその先にいる人に「正しく見つけてもらう」ために。明日からできる第一歩として、以下の2点を提示しました。
- 職人の高い技術や製品への想いを、画像や動画だけで終わらせず、AIが読み取れる「テキスト」として具体的に言語化し、Web上に資産として残しておくこと
- 業界の比較サイトやメディアに掲載されている自社の情報が正しいか、客観的なファクトがしっかりと記載されているかを地道に確認すること。必要であれば修正を働きかけるような、泥臭い作業が必要
講義の最後に、竹内はこう締めくくりました。
「AI対策は、結局のところ『人間へのマーケティング』と同じである」と。
AIは「人間の思考を真似て、人間に満足してもらえる回答を出そうとしている」存在に過ぎません。だからこそ、小手先のテクニックに走るのではなく、自社の価値を誠実に言語化し、人間に届く本質的な発信を積み重ねること。その地道な歩みが、結果としてAIに選ばれ、最終的にはその先にいる「人間」に選ばれる唯一の道になるのです。
山梨県産業技術センター 鈴木様のコメント
山梨県産業技術センターは、県内中小企業の技術支援、研究開発、人材育成などを通じて、山梨が誇る地場産業を技術の側面から支えている公的機関です。
今回、本企画を担当された鈴木様に、開催の背景にある課題感と、産地への想いを伺いました。
画面越しでは伝わらない「本来の価値」と「来訪する機会」が失われることへの危機感
山梨県産業技術センター 鈴木様
──支援の現場で感じてこられた課題について教えてください。
高級織物は、心地のよい風合いや鮮やかな発色の実現に高い技術が注ぎ込まれており、製品を手に取ればその価値はすぐに伝わります。しかし、オンライン上でのマーケティングが主流となった今、見た目だけではその良さが伝わりきらず、安価な海外製品と比較されてしまう現実があります。
そのため各企業は、製品の成り立ちや「作り手の思い・こだわり」を自社のWebサイトで発信し、ファンづくりに注力されてきました。山梨の地場産業には、織物以外にも、そうした目には見えにくいものの、高い品質や強い思いを持ってつくられているものが数多く存在するのです。
──その課題感をお持ちの中で、竹内の寄稿記事(繊研新聞)のどこが特に印象に残ったのでしょうか。
AI検索の登場により、個々のWebサイトを回遊せず情報収集を終える「ゼロクリックリサーチ」が一般化していく、という予測です。AIが「最適な回答」を提示することは、裏を返せば「それ以外の情報が提示されないこと」でもあるという点は、非常に印象深く残っています。
消費者が企業のWebサイトへ来訪する機会がなくなることは、これまで産地が大切にしてきた情報発信、ひいてはブランディングに多大な影響を及ぼすのではないか。そんな強い危機感から、専門家の方をお招きして情報提供できる場を設けようと、今回の講習会を企画するに至りました。
活用以前に、まずは「変化」を知ることから

──今回の講演を通じて、経営者や職人の皆様に一番伝えたかったことは何でしょうか。
AI検索の流れは社会的な潮流であり、活用するにしてもしないにしても、まずは消費者の購買動向の変化について知っておく必要があると考えました。今回の講習会が、参加された皆様にとって新しい変化に関心を持つ契機になってほしいと願っていました。
──講演を終えて、参加者の反応はいかがでしたか?
Webの専門外の方もいらっしゃいましたので、一部には難しい内容もあったようですが、竹内さんが高度な内容をわかりやすく丁寧にご説明くださったおかげで、皆様最後まで集中して受講されていました。アンケートでも「生成AIが回答を出す仕組みがわかった」という感想が多く、有益な機会となったようです。
講習会全体としても、ほとんどの参加者から「良い内容だった」「今後の仕事の役に立つ」という回答をいただくことができ、担当者としてこの場を設けて本当に良かったと手応えを感じています。
アンケート結果「貴社の仕事に役立つ内容でしたか?」
──今回の内容を、今後どのように支援活動に活かしていきたいですか?
AIが提供する情報をもとに消費者が判断する流れは、今後県内企業にも確実に影響します。今回の講演内容は、そうした状況の理解や変化への対応を考える際の情報として、今後の支援活動に活かしていけると感じました。
「技術が変わればマーケティングも変わる」というお話があった通り、企業が継続していくには社会の変化に対応していくことが欠かせません。新しい技術と変化に合わせて自分たちをアップデートしていく必要性を、改めて強く実感しました。
価値あるモノが、正しく見つかる社会へ
今回の講演では、AIという新しい波が、実直なものづくり企業にとって「脅威」ではなく、正当な評価を得るための「チャンス」になり得ることをお伝えさせていただきました。
素晴らしい技術や想いがありながら、これまでは予算やデジタルの壁に阻まれて届かなかった──そんな「もったいない」をなくし、本質的な価値が評価される社会をつくること。それこそが、LANYが掲げるミッション「価値あるモノを、インデックスさせる」という言葉に込めた、私たちの純粋な想いです。
産地が守り抜いてきた「本物の価値」が、AIという新しいフィルターを通して、世界中に正しく発見される未来。私たちはその架け橋になりたいと考えています。
LANYはこれからも、場所や規模にかかわらず、本当に価値あるサービスやプロダクトを生み出される企業様や関係者の皆様をご支援するべく、「グロースパートナー」として着実に歩みを進めてまいります。
【無料お役立ち資料】 LLMO白書
AI検索時代に「自社ブランドが選ばれる状態」を再現性高く作るためのマーケティング戦略と具体戦術を、全70ページにわたるボリュームでまとめたLLMO(AI検索対策)の必携資料です。
ここ数年でユーザーの検索体験は「リンクをクリックしてサイトを訪問する」ものから「AIから答えを直接もらう」ものへと激変しました。この変化により、従来の流入を重視するSEOだけでは、顧客の意思決定に関与し続けることが困難になりつつあるため、AIに直接選ばれる必要性が高まっています。
本資料では、実際に検証から導き出した「AI検索の勝ち筋」を、実証データや明日から使えるフレームワークとともに解説しています。
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